「10万円でも売れなかったあの湯沢のマンション、今なぜか値上がりしてるらしい」
新潟の不動産関係者として、ここ1〜2年でこの話題が急に増えました。
実際どうなの?
数字と背景を整理しながら、新潟にいる立場から書いてみます。
「買いか・買いじゃないか」という話も最後にします。

まず現状の数字から
湯沢のリゾートマンションは2025年時点で平均売却価格585万円、前年比+34.54%と価格が反転上昇しています。
新潟県内の中古マンション平均価格は、この10年で約1.8倍に上昇。
これは東京都(約2.2倍)に次ぐ全国トップクラスの上昇率で、その牽引役となっているのが湯沢町のリゾートマンションです。
実際、湯沢町のリゾートマンションの売り出し価格は10年前と比べて2倍以上に値上がりしているというデータがある。>
日経新聞でも取り上げられていましたが、中古マンション価格の上昇率は2025年4・5月に全国首位だった、というデータもあります。
かつての状態を知っている方なら分かると思いますが、「10万円でも売れない」と言われていた物件が今は数百万円で取引されている。
これはかなり大きな変化です。
なぜ上がってきているのか?理由は複合的
ひとつの理由ではなく、いくつかの要因が重なっています。
① 首都圏マンション高騰による「割安感」(私はこれが大きな要素だと感じます)
東京・首都圏の新築・中古マンション価格がここ数年で急激に上がっています。
「都内で買えば1億円は超える物件だ。月々の管理費を考えても圧倒的に安い」という声も出ています。
越後湯沢は新幹線で東京から1時間20分程度です。
「都内のマンションを買う予算でセカンドハウスが持てる」という比較の中で、湯沢が見直されてきています。
② テレワーク・デュアルライフの定着
コロナ禍以降、リモートワークが定着した層にとって「都心に週2〜3回出れればいい」という働き方が当たり前になりました。
東京から新幹線で1時間15分〜20分程度というアクセスの良さが、合理性を重視する層に改めて脚光を浴びています。
「平日は湯沢、必要なときだけ東京に出る」という生活スタイルが現実的な選択になってきた。
③ インバウンド需要の回復(①の次はこの要因もあります)
訪日外国人(インバウンド)のスキーリゾート需要が回復基調にあり、特に湯沢・苗場エリアは中国・韓国・オーストラリアからのスキー客に人気です。
民泊・短期賃貸として活用できる物件として、外国人投資家や不動産投資家の目に入るようになってきた。
④ 湯沢町自体の人口増加
2025年1月時点では新潟県唯一の人口増加自治体で、手厚い移住政策で話題になっています。
移住先として選ばれるようになっているという側面もあります。
越後湯沢のリゾートマンションの定住者は約1,770人で、これは湯沢町人口の約22%を占めています。
観光施設から生活インフラを伴う居住地への転換が進んでいます。

ただし「高騰している」というのは一面的な話でもある
ここからが本題です。
値上がりしているのは事実です。
でも「湯沢のリゾートマンション全体が上がっている」というわけでもない。
物件によって明暗が大きく分かれている
越後湯沢駅に近い・共用施設が充実している・管理組合がしっかりしている、こういった物件は値上がりしています。
一方で駅から遠い・管理費の滞納が多い・老朽化が進んでいる物件は相変わらず値がつかないか、動きが鈍い。
「湯沢のリゾートマンションが上がった」という話だけ聞いて購入を検討すると、実際に見に行ったら全然違う状況だったという話はよく起きます。
管理費・修繕積立金の問題は変わっていない
購入価格が安くても管理費・修繕積立金が月3万〜5万円かかり、年間コストは30万〜50万円超となる場合が多い。
これは値上がりしても変わりません。
購入価格が100万円→500万円になっても、毎月の維持費は同じようにかかる。
「安く買えた」と思っても、維持費を10年・20年払い続けると総額がかなりになります。
バブル期に建設された物件が多いので、築30〜40年以上の物件が大半です。
大規模修繕の時期を迎えている・または迎えようとしている物件も多い。
修繕積立金が足りていない場合、将来的に一時金の請求が来る可能性もあります。

新潟の不動産会社として思うこと
清新ハウスは主に新潟市内・近郊を中心に扱っているので、湯沢の物件を直接仲介することは少ないです。
でも空き家アドバイザーとして「湯沢のリゾートマンションを購入したが、どうすればいいか」という相談は受けることがあります。
最近で印象に残っているのが、「安くなったと聞いて投資目的で購入したが、管理費の支払いがきつくて手放したい」という相談でした。
購入価格は安くても、毎月の管理費が予想以上にかさんで、賃貸に出しても黒字にならない。
売ろうとしても希望価格では動かないという状況でした。
「上がっている」という情報は伝わりやすいですが、「維持費がかかる」「管理組合の状態が物件によってバラバラ」「将来の大規模修繕リスクがある」という部分は調べないと分からない。
そこが落とし穴になりやすい。
結局、今買っていいのか
別荘・セカンドハウスとして純粋に使うための購入なら、検討してみる価値はあると思います。
首都圏との比較で見たときの割安感は本物で、温泉・スキーが楽しめる環境が維持費込みで使えるという価値はある。
ただし「投資目的」「将来売却して利益を出す」という前提で考えると、かなり慎重になった方がいい。
賃貸需要・売却可能性が限定的で、投資目的には不向き。
別荘・セカンドハウスとしての利用が現実的という見方が専門家の間では一般的です。
今値上がりしているのは事実ですが、「このまま上がり続ける」という保証はどこにもありません。
バブル崩壊のときに大幅下落した歴史がある物件です。
購入を検討するなら確認すべきポイント:
- 管理費・修繕積立金の月額と、滞納状況
- 管理組合の財務状況(修繕積立金が積み上がっているか)
- 直近の大規模修繕の実施状況・次回予定
- 駅からの距離と、冬季の交通アクセス
- 賃貸に出す場合の実績(民泊可否・年間稼働率)
- 将来的に売りたい場合の現在の流動性
これらを確認せずに「安くなった・上がってる」という情報だけで動くのは危ないです。

まとめというか…
かつて「負動産」の代表格のように喧伝されていた新潟県湯沢町のリゾートマンションが再評価されているのは本当のことです。
ただ、値上がりの理由には「首都圏の高騰との比較」「テレワーク需要」「インバウンド回復」という外部要因が大きく、湯沢の物件固有の価値が上がったわけではない部分も多い。
「上がっているから今が買い時」という判断は単純すぎるし、「管理費が高くて維持できない」という問題は解決していません。
興味がある方は、現地を実際に見て、管理組合の財務資料を取り寄せて、総費用を計算した上で判断してほしいと思います。
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