
今日はお知らせです。
10月4日(日)に、十日町市で「持ち家・空き家課題解決セミナー」が開かれることになり、私が講師としてお話しします。
参加は無料です。
主催は、私が代表理事を務めている一般社団法人 全国空き家アドバイザー協議会の十日町支部と、一般社団法人 全国古民家再生協会の新潟第一支部です。
清新ハウスとして開くセミナーではありませんが、普段このブログで書いている空き家や実家の話を、直接お伝えできる機会なので、こちらでもご案内させてください。
住宅会社をやっていると、どうしても「家を建てる」「家を直す」という話が中心になります。
でも、ここ数年は、家をどう終わらせるか、どう次につなぐかという相談のほうが、明らかに増えてきました。
家を建てる仕事をしてきた者として、家の最後まで一緒に考えるのも役目だと思って、こうした活動を続けています。
最近、清新ハウスに来る相談も、協議会に来る相談も、半分くらいが「実家をどうしたらいいかわからない」という話になってきました。
親が元気なうちは、まだなんとかなります。
困るのは、親が動けなくなってから、あるいは亡くなってからです。
子どもたちが集まって「この家、誰が継ぐ?」という話になったとき、たいてい誰も手を挙げません。
みんな県外や新潟市内に家を持っていて、戻ってくる予定がない。
これは十日町だけの話ではなくて、新潟県内のあちこちで同じことが起きています。
「除雪が大変」「解体費がかかる」。聞き覚えのある悩みではないですか?
相談を受けていると、こんな声をよく聞きます。
- 年々、除雪がしんどくなってきた
- 立派な家だけど大きすぎて、解体するにも大金がかかる
- 除雪費と修理費が、毎年の負担になっている
- 家族が揃った思い出のある家だから、手放したくない気持ちもある
- でも子どもは県外にいて、誰も戻ってくる予定がない
一つひとつは、小さな悩みに見えるかもしれません。でも積み重なると、けっこう重いです。
新潟の場合、特に雪がすべてを難しくします。夏なら「そのうち考えよう」で済む話も、冬になると屋根の雪下ろしや除雪費という形で、待ったなしでやってきます。
それから、登記の問題もよく出てきます。
「親が亡くなって調べたら、名義が祖父のままだった」「そもそも建物が登記されていなかった」という話です。
相続登記は2024年から義務になりましたが、手続きを後回しにしている家は、正直まだかなり多いです。
名義が整理されていないと、いざ売ろうとしたときや、管理を誰かに頼もうとしたときに、身動きが取れなくなります。
登記上の持ち主と連絡がつかなくて、何も進められない、という相談も増えています。

なぜ今、十日町でこのテーマなのか?
十日町は、県内でも空き家の増加が目立つ地域の一つです。
豪雪地帯なので、空き家になった瞬間から傷むスピードが速い。
雪の重みで屋根が傷み、除雪されないまま放っておかれれば、落雪や倒壊で近所とのトラブルにもつながります。
損害賠償にまで発展した例も、実際にあります。
一方で、「今は住んでいるけど、この先どうなるかわからない」という方の悩みも、根っこは同じです。
持ち家をどうするか決めないまま先送りにしていることが、結果として空き家を増やしています。
空き家になってから考えるのでは、選べる道がぐっと少なくなります。
だから今回のセミナーでは、すでに空き家になっている家の話だけでなく、「今住んでいる持ち家を、これからどうするか」という、元気なうちに考えておきたい話も扱います。
チラシにも書いていますが、選択肢は大きく分けると「手放す」「活用する」「次の世代へつなぐ」の三つです。
どれが正解ということはなくて、家の状態や場所、家族の事情によって、合うものが違います。
当日お話しする内容
内容は、次のようなものを予定しています。
- 元気なうちに決めておくべきこと
- 相続人どうしのトラブルの実例
- 空き家で損害賠償になる、法的なリスクとは
- 持ち家を「負動産」にしないための考え方
- 持ち家じまいで失敗する人に共通するパターン
- 空き家にしてしまうと、実際に何が起きるか
- 持ち家じまいで損をしてしまう金額の話
- 持ち家の活用事例
専門用語を並べる講演にするつもりはありません。
実際の相談で見聞きしたトラブルの例を交えながら、「じゃあうちの場合はどうすればいいのか」を持ち帰ってもらえる内容にします。
このブログで最近書いてきた話も、何本かは当日の内容と重なります。
たとえば、お金を払って業者に引き取ってもらう「負動産」の話。売れない実家を手放すのに、100万円から500万円くらいの引き取り料がかかるケースが増えています。
実家を売ろうとしたら建物が登記されていなかった、敷地に納屋や蔵がいくつもあって解体費がふくらんだ、という話。
親が認知症になってしまって、実家を売ることもリフォームすることもできなくなる「資産凍結」の話。
冬の空き家の雪で、隣の家に被害を出してしまったときの責任の話。
どれも、早めに知っていれば避けられたり、負担を小さくできたりすることばかりです。
ブログでは書ききれなかった実際の事例も、当日はお話しできると思います。

少しだけ先出し:空き家にすると、雪国では何が起きるのか
当日の内容から、一つだけ先にお話ししておきます。
人が住まなくなった家は、思っている以上に早く傷みます。暖房が入らず、窓も開けないので、湿気がこもって、床や壁の内側から傷んでいきます。
水道を使わないと、排水口から臭いが上がってきたり、冬に水道管が凍って破裂したりします。
雪国ではこれに雪が加わります。
誰も雪下ろしをしない屋根には、冬の間ずっと雪が乗り続けます。
締まった雪は重く、古い家だと軒先が下がったり、下屋が折れたりします。
春になって雪がとけたら、屋根材がずれていて、そこから雨漏りが始まっている、ということもあります。
一冬越えるごとに、家の価値ははっきり下がっていきます。
3年前ならリフォームして住みたいという人が見つかったかもしれない家が、今は壊すしかない、となると、売るどころか解体費がかかる側になります。
解体費は、大きな家や、納屋や蔵がある家ほど高くなります。
これが、持ち家が「負動産」になっていく典型的な流れです。
逆に言うと、まだ人が住んでいるうち、あるいは空き家になって間もないうちに方針を決めておけば、避けられることがたくさんあります。
誰が家を引き継ぐのか?
誰も引き継がないなら、いつ、どうやって手放すのか?
手放すまでの間、誰が管理するのか?
この三つを、家族の中で一度話しておくだけでも、ずいぶん違います。
当日は、それぞれをどう決めていけばいいかを、事例を交えてお話しします。
もう一つ、相談を受けていて感じるのは、持ち家じまいで失敗する方の多くが、最初の相談先を間違えているということです。
突然電話をかけてきた業者の話をそのまま信じて契約してしまったり、「とりあえず更地にすれば売れるだろう」と先に解体してしまって、固定資産税だけが上がって何年も売れなかったり。
一つの窓口の話だけを聞いて決めると、ほかにもっといい方法があったことに、あとから気づくことになります。
家の状態を見る人、登記や相続の手続きをする人、売る先を探す人。
本来は、それぞれの立場の話を聞いてから決めるものです。
セミナーでは、どこに何を相談すればいいのか、その順番もお伝えするつもりです。

講師について
講師は私が務めます。
- 一般社団法人 全国空き家アドバイザー協議会 代表理事
- 一般社団法人 全国古民家再生協会 理事
- 一般社団法人 新潟古民家再生協会 代表理事
普段は清新ハウスの代表として、新潟市を中心に住宅の新築やリフォーム、空き家の相談に関わっています。
実際に家を見て、直せるのか、壊したほうがいいのかを判断する立場でもあります。
全国空き家アドバイザー協議会新潟支部は、新潟市から空家等管理活用支援法人の指定も受けています。
住宅の現場と、空き家の相談の両方に関わっていると、同じ家の話でも「建物としてどうか」と「家族としてどうするか」が絡み合っていることがよくわかります。
建物がしっかりしていても、家族の話がまとまらずに何年も動けない家もあれば、建物は傷んでいても、家族の方針が早く決まったおかげでスムーズに片付く家もあります。
ここ数年で、こういう相談が本当に増えました。
「今住んでいる家があるけど、子どもたちはみんな県外で、どうしたらいいのか」
「持ち家を処分したいけど、登記上の持ち主と連絡がつかない」
「子どもが継ぎたくないと言っていて、困っている」
空き家になる前に知っておいたほうがいいこと、すでに空き家になった家をどうすればいいか。
トラブルの例を交えながら、できるだけ具体的にお話しします。
こんな方に来ていただきたいです
- 十日町やその周辺に持ち家があって、将来どうするか決めていない方
- 親が十日町に住んでいて、実家のことが気になっている方
- すでに空き家になっている家を持っていて、どうしたらいいか分からない方
- 除雪や維持費の負担が年々重くなってきたと感じている方
- 相続でもめたくない、子どもに負担を残したくないと考えている方
親の立場の方と、子どもの立場の方、どちらにも聞いてもらいたい内容です。
できれば、親子で一緒に来ていただけると一番いいと思っています。
実家の話は、親子で同じ話を同じ場で聞くだけで、そのあとの話し合いがずいぶん進みやすくなります。
家では切り出しにくい話でも、「セミナーでこう言っていたね」というきっかけがあると、話しやすくなるものです。
参加する前に、手元で確認しておくと役に立つもの
当日、何かを持ってきていただく必要はありません。
ただ、事前に次のようなことを確認しておくと、話を聞きながら「うちの場合はどうだろう」と考えやすくなります。
固定資産税の課税明細書
毎年届く固定資産税の通知についている明細です。
土地や建物がいくつあるか、建物に家屋番号がついているか(登記されているか)が分かります。
家と土地の名義
今、誰の名義になっているか。
親の名義か、祖父母の名義のままか。
はっきりしない場合は、法務局で登記の内容を確認できます。
家族の考え
子どもや兄弟が、実家についてどう思っているか。
まだ話したことがない、という方も多いと思います。
それ自体が、当日のお話を聞いていただく意味になります。
開催概要
- 日時:10月4日(日)13:30〜15:00(受付13:00〜)
- 会場:十日町市商工会本所分館(旧川西商工会館)2階会議室
- 住所:十日町市水口沢71
- 定員:30名(事前申込制・先着順)
- 参加費:無料
- 主催(共催):一般社団法人 全国空き家アドバイザー協議会 十日町支部、一般社団法人 全国古民家再生協会 新潟第一支部
- 後援:新潟県、十日町市、十日町商工会議所、十日町市商工会、新潟県建築士事務所協会中越支部、新潟県建築士会中魚沼支部、公益社団法人 新潟県宅地建物取引業協会十日町支部
定員30名の事前申込制なので、興味のある方は早めにご連絡ください。

申し込み方法
お電話、メール、またはチラシのQRコードからお申し込みいただけます。
- TEL:025-761-1580
- Mail:tokamachi.akiya@gmail.com
セミナーのお申し込みは、清新ハウスではなく、上記の連絡先(全国空き家アドバイザー協議会 十日町支部)にお願いします。
「うちの実家、そろそろ何か決めないと」と思っている方、「除雪が年々きつくなってきた」というご両親を持つ方、どちらの立場の方にも参考になる内容にするつもりです。
当日、会場でお待ちしています。
十日町まで行けない方、個別に相談したい方は
日程が合わない方や、十日町まで行くのは難しいという方、セミナーでは話しにくい個別の事情がある方は、清新ハウスに直接ご相談ください。
新潟市を中心に、実家や空き家の状態を建築士の目で見たうえで、売る、直して使う、管理を続ける、といった選択肢を一緒に整理しています。
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