
9月21日、敬老の日です。
新米が出て、稲穂が黄金色になるこの季節に、実家に帰る方も多い。
久しぶりに親の顔を見て、新米でご飯を食べて、また日常に戻る。
そういう帰省です。
本日はご提案です。
帰省の間に、10分でいいので「実家のこと」を少し考えませんか?
「縁起でもない」と思う方がいるのは分かっています。
でも正直に言います。
実家のことを「親が元気なうちに・家族で・具体的に」考えておくことが、後のトラブルを防ぐ一番の方法です。
今日がそのきっかけになれば十分です。
「親が元気なうち」に考えるべき理由
空き家問題・相続問題の相談を受けていて、一番多く感じることがあります。
「もう少し早く相談してくれれば」これです。
親が判断能力を失ってから・亡くなってから相談に来るケースと、親が元気なうちに相談に来るケースでは、できることが全然違います。
親が元気なうちにできること
- 実家をどうするか(売る・貸す・誰かが住む・民泊にする等)の意思を確認できる
- 財産の状況(何がどこにあるか)を教えてもらえる
- 親の気持ちに沿った「実家じまい」のペースで進められる
- 相続税対策・遺言の準備ができる
- 登記の名義がおかしければ親に署名してもらえる
親が判断能力を失った後・亡くなった後
- 親の意思が分からないまま決めないといけない
- 相続人全員の合意が必要(兄弟が増えるほど困難)
- 判断能力がなければ成年後見制度が必要(手間・費用・制約が大きい)
- 建物が未登記のままだと相続後の売却・活用ができない
「今は元気だから大丈夫」が「気づいたら遅かった」になるのは、突然のことが多い。

帰省のついでに「確認してほしい5つのこと」
「難しい話をしなくていい」「決めなくていい」
確認だけしてほしいことがあります。
① 実家の登記名義が誰になっているか
法務局で「登記事項証明書」を取ると確認できますが、まず「親に聞く」だけでも大丈夫です。
「この家、名義は誰になってるの?」という質問です。
「おじいさんのままだよ」という答えが返ってきたら、要注意です。
祖父の代から登記が変わっていない場合、相続手続きが複数世代に遡る可能性があります。
「お父さんのものだよ」でも、「建物だけが昔のままで登記されていない」という場合もあります。
② 遺言があるかどうか
「遺言なんてうちには関係ない」と思っている方が多いですが、遺言がないと相続人全員の合意(遺産分割協議)が必要になります。
「遺言はあるの?」という質問をしてみてください。
「ないよ」なら「作っておいた方がいいかもしれないね」という話のきっかけになります。
③ 固定資産税の通知書がどこにあるか
毎年送られてくる固定資産税の通知書は、「不動産の一覧」として機能します。
「土地・建物が何筆あるか」「評価額はどのくらいか」が分かります。
親が亡くなった後に「どんな不動産があるか分からない」という状況は、探すだけで大変です。
「固定資産税の通知書はどこにある?」と聞いておくだけで、後の話が楽になります。
④ 実家を将来どうするつもりか
「この家、自分が死んだ後どうしたらいいと思う?」
この質問は重く感じるかもしれません。
でも
「誰かが住むつもりがあるか」
「売っていいか」
「活用していいか」
これを親に聞いておくと、相続後の選択肢が広がります。
「売ってもいいよ」という言葉が後で証拠になることがあります。
「絶対に売るな」という強い意思があるなら、遺言でそれを残してもらえる。
⑤ 建物の状態を一緒に見てみる
帰省中に「ちょっと見せてよ」と言って、家の中を一緒に見てみてください。
「押入れが湿っている」
「廊下の床がたわんでいる」
「屋根の染みがある」
こういったことが見えたら、「早めに手を打った方がいいかもしれないね」という話のきっかけになります。
一人で住んでいる親は、建物の変化に気づきにくいです。
「最近どこか気になる部分ある?」と聞くだけでもいい。

相続登記の期限が近づいています
敬老の日の帰省を機に、もう一つ確認してほしいことがあります。
2024年4月から相続登記が義務化されました。
2024年以前に発生した相続分については、2027年3月31日が登記完了の期限です。
「もう何年も登記していない実家」がある方、この日付を覚えておいてください。
相続によって取得した土地について正当な理由なく3年以内に相続登記の申請をしなかった場合、10万円以下の過料が科されます。
「罰則があるから」だけではなく、相続登記をしないことで生じる実害があります。
- 名義が亡くなった方のままでは、売却・活用・担保設定ができない
- 時間が経つほど相続人が増えて合意が取りにくくなる
- 建物が未登記の場合は表題登記から必要(別途費用がかかる)
「今年の帰省のうちに、少し動いてみよう」というきっかけとして使ってください。
「話せなかった」という方へ
「帰省したけど、親にそういう話を切り出せなかった」という方も多いと思います。
それでも構いません。
「帰省のついでに実家の状態を確認した」
「固定資産税の通知書の場所を聞いた」
「登記名義について親に聞いてみた」
これだけで十分な前進です。
一気に全部決めなくていい。
「今日は確認しただけ」「次の帰省でもう少し話を進めよう」という積み重ねが、後のトラブルを防ぎます。
「縁起でもないから話せない」という方、一つだけ言わせてください。
「いつか話そう」で実際に話し合えるケースは、少ないです。
「帰省のたびに少しずつ話す」という習慣がないと、気づいたら「もう話せる状況じゃなくなっていた」になることがあります。
敬老の日の今日が「少しだけ話した日」になれば、それで十分です。

実家がそのまま空き家になるとどうなるか
「親が施設に入った・亡くなった→実家が空き家になる」というパターンを正直に話します。
空き家は放置するほど問題が大きくなります。
建物の劣化が加速する
人が住んでいない家は、住んでいる家の数倍の速さで傷みます。
換気されないため湿気がこもり・カビが発生し・木材が腐朽します。
雨漏りが起きても誰も気づかないため被害が拡大します。
「5年放置したら、リノベーションで活用しようと思っていたのにコストが合わなくなった」という話は実際によくあります。
台風・大雨で近隣に被害が出る可能性
管理されていない空き家は、台風で瓦が飛ぶ・ブロック塀が倒壊する・庭木が折れて電線に当たる、こういったリスクがあります。
被害が出た場合、所有者が損害賠償責任を問われることがあります。
固定資産税が上がるリスク
2023年改正の空家等対策特別措置法で「管理不全空家」という概念が追加されました。
適切な管理がされていないと認められると、住宅用地の固定資産税軽減特例(最大6分の1)が外れる可能性があります。
「空き家問題を先送りにするほどコストが増える」という現実は変わりません。
実家をどうするか?選択肢の整理
「実家の将来をどうするか」については、主な選択肢があります。
全部今日決めなくていいですが、頭の中に選択肢として入れておいてください。
① 誰かが住む(同居・移住)
「誰かが実家に戻る・住む」という選択肢です。
空き家にならないため管理問題がなくなります。
ただし「誰が住むか」「費用をどう負担するか」は家族間で整理が必要です。
② 売却する
管理の手間・リスクがなくなります。
現金化できます。
「もう誰も住まない」という場合の現実的な選択肢です。
相続登記が完了していないと売却できないため、登記が先になります。
③ 賃貸・民泊として活用する
収益を生みながら建物を維持できます。
古民家・農家建築は民泊として需要があります。
清新ハウスで対応できます。
④ 解体して更地にする
建物の傷みが激しい・活用の見通しがない場合は解体が現実的な選択肢です。
新潟市の老朽危険空き家解体補助金が使える場合があります。
⑤ 管理しながら時間をかけて決める
「まだ決められない」という場合は、管理業者に委託して建物の状態を保ちながら時間をかけて決める方法があります。
清新ハウスの空き家管理サービス(月4,400円〜)で対応できます。

「今日できること」敬老の日にやること
帰省中の今日・今週末にできることを整理します。
1. 親に「実家のこと、少し話してもいい?」と聞いてみる
「縁起でもない話だけど」という前置きは不要です。
「将来のことをちゃんと考えておきたい」という素直な気持ちを伝えてください。
2. 固定資産税の通知書の場所を教えてもらう
「これ、どこにある?」という一言です。
通知書を見れば土地・建物の一覧と評価額が分かります。
3. 登記名義を聞いてみる
「この家、誰の名義になってるの?」という質問です。
答えが「分からない」「おじいさんかな」という場合は、帰宅後に法務局で確認することができます。
4. 建物の中を一緒に歩いてみる
「ちょっと見せてよ」と言って、各部屋を一緒に歩いてみてください。
気になる部分が見えたら写真を撮っておく。
5. 次の帰省で「続きを話そう」と約束する
「今日は確認しただけ。次は具体的にどうするか話そう」という約束をしておくと、次のきっかけが作りやすくなります。
まとめ
敬老の日の帰省で、実家のことを少し考えてみてください。
全部決めなくていい。
解決しなくていい。
「今日、少し話した」
「少し確認した」
それだけで十分です。
「親が元気なうちに・家族で・少しずつ」話しておくことが、後の空き家問題・相続トラブルを防ぐ一番の方法です。
「縁起でもない話」ではなく「家族を守る話」として、今日の帰省のどこかに10分使ってもらえたら嬉しいです。
相続登記の義務化(2027年3月31日期限)・空き家の管理責任・実家の活用、具体的な相談は清新ハウスで受け付けています。
「何から話せばいいか分からない」という段階でも構いません。
今日このような内容を書いたのは、現実に最近このような相談が増えてきたからです。
他人事ではなく、ほとんどの方にふりかかる問題だと感じていります。
ご相談はLINEからどうぞ
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