先日、30代のご夫婦からこんな相談を受けました。
「中古住宅を探し始めたんですが、今のタイミングって正直どうなんですか?」
金利の話も聞くし、物件は増えているようだし、でも補助金が使えるとも聞いた。
情報が多すぎて、何を信じればいいかわからない、というお気持ちでした。
正直で率直な質問だと思いました。
そして、こういう「正直に教えてほしい」という相談が一番ストレートで回答しがいがあります。
今回は、そのご夫婦にお伝えした内容をそのままブログにまとめました。

まず「今の状況」を整理します
現時点(2026年6月)の住宅市場を、3つの視点で整理します。
① 金利は上昇中。ただし「急いで買え」とは言いません
2026年6月は長期金利上昇の影響から、各銀行の固定金利が大きく引き上がっています。
特にフラット35は年0.50%という目立つ上げ幅となっています。
主な金融機関の変動金利は0.8〜1.0%程度を維持していますが、長期金利は2026年3月に入ってから上昇傾向にあり、6月はほとんどの金融機関が金利を引き上げています。
日銀が2026年3月に公表した推計では、中立金利は1.1〜2.5%程度とされており、現在の政策金利0.75%はまだこの水準に届いていないため、今後も段階的な上昇が続く可能性があります。
ここで大事なのは、「金利が上がっているから今すぐ買わなければ」という焦りは禁物だということです。
金利と物件価格はトレードオフの関係にあります。
金利が上がれば購入意欲が落ち、物件価格に下押し圧力がかかることもある。
「金利だけ」で判断しないことが重要です。
② 新潟の中古住宅は「交渉しやすい環境」になっています
新潟の中古戸建ては、坪単価25万円前後が一つの目安です。
ただし直近では、郊外エリアを中心に売れ残り物件が増えており、買い手にとって価格交渉がしやすい状況になっています。
特に「駅から遠い・築25年以上・現状渡し」の物件は、売り出し価格から10〜15%程度の値引き交渉が成立するケースも出てきています。
物件価格の面では、むしろ今は買い手に有利な局面です。
③ 補助金は「今年が使いやすい」のは本当です
2026年も国の住宅省エネキャンペーンが継続されており、中古住宅のリフォームに使える補助金が充実しています。
先進的窓リノベ(最大60万円)・みらいエコ住宅(最大100万円)・給湯省エネ(最大17万円)の3つを組み合わせることで、合計100万円超の補助を受けられるケースも。
ただし補助金は予算上限に達した時点で終了します。
「使いたいと思ったときにはもう終わっていた」というケースも毎年発生しています。

「では結局、今が買い時なんですか?」
ご夫婦にもそのままお伝えしたことがあります。
「今が買い時かどうか、正解は誰にもわかりません。でも、今動くべき理由と、急がなくていい理由の両方があります。」
今動くべき3つの理由
① 金利差が今後拡大する可能性がある
主要なシンクタンクの予測では、2026年中に政策金利が1.0〜1.5%に到達するとの見方もあります。
たとえば3,000万円の借入で金利が0.5%上がると、月々の返済は約8,000円増え、35年間の総返済額は約330万円増えます。
「後で考えよう」がコストを生む可能性は確かにあります。
② 補助金の活用窓口が開いている
今年は補助金のラインナップが充実しています。
中古住宅+省エネリフォームを組み合わせると、補助金込みで「実質的な取得コスト」を大きく下げることができます。
この補助制度が来年も同条件で継続される保証はありません。
③ 交渉余地のある物件が出ている
価格が下がりにくい人気エリアの物件でも、長期間売れ残った物件には交渉の余地があります。
「今だから選べる物件」が確かに存在します。
急がなくていい理由も正直に伝えます
① 焦って買う後悔のほうが大きい
住宅購入で最も多い後悔は「タイミングを逃したこと」ではなく「じっくり検討せずに決めたこと」です。
物件の耐震性・断熱性・地盤・管理状況を確認せずに値段だけで決めると、後で大きなコストが発生します。
② 旧耐震基準の物件には注意が必要
中古住宅は1981年以前に建てられた「旧耐震基準」の物件には注意が必要です。
ローン審査が厳しくなる・補助金が使えないケースがある・将来の売却時に不利になるというリスクがあります。
新潟は能登半島地震以降、耐震性能への関心が高まっています。
③ 新潟の冬をイメージして選ぶ
新潟固有の視点として、「除雪」「断熱」「地盤」の3点は必ず確認してください。
除雪車が通れる間口の広さ・用水路との距離・積雪荷重に耐えられる断熱・構造性能。
これは首都圏の情報では出てこない、新潟特有のチェックポイントです。

そのご夫婦に最終的にお伝えしたこと
「今すぐ買うべき」とも「まだ待つべき」とも私は言いませんでした。
代わりにお伝えしたのは、「判断するための3つの軸を整理してから動いてください」 ということです。
1.予算の上限と月々の返済許容額を先に決める(金利が変わっても揺らがない基準を持つ)
2.エリアの優先順位を夫婦間で揃える(通勤・学校区・実家との距離)
3.物件を見る前に「断熱・耐震・地盤」の最低ラインを決めておく
この3つが決まっていれば、物件を見始めてからの判断スピードが格段に上がります。
「いい物件に出会ったとき」に迷わず動けるかどうかが、中古住宅探しでは特に重要です。

まとめ
2026年6月時点の新潟の中古住宅市場を整理すると、次の3点が言えます。
・金利は上昇傾向だが、郊外を中心に物件価格の交渉余地が広がっている
・補助金(省エネリフォーム系)は今年が使いやすく、組み合わせ次第で100万円超の活用も可能
・急ぐより「判断の軸を持ってから動く」ことが後悔しない選択につながる
「今が買い時かどうか」という問いの正解は、市場ではなく「あなた自身の状況と優先順位」の中にあります。
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