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犬将軍日記

2026/07/31

新潟の冬だけじゃない!夏の強烈な西日とゲリラ豪雨から家を守る「軒(のき)とひさし」のパッシブデザイン効果

新潟の冬だけじゃない!夏の強烈な西日とゲリラ豪雨から家を守る「軒(のき)とひさし」のパッシブデザイン効果

最近はスタイリッシュな「軒(のき)のない家」も人気ですが、四季の気候変化が激しい新潟において、軒や窓の上の「ひさし」は、家を長持ちさせるための超重要アイテムです。

冬の雪から外壁を守るだけでなく、夏の強い日差しや大雨から住まいを守る役割も担っています。

デザイン性と快適性を両立させる、清新ハウスの「軒の設計」のこだわりをお話しします。

「軒のない家」がなぜ増えたのか

近年、キューブ型・箱型のシンプルモダンな外観が人気を集め、軒を極限まで短くした、あるいは軒のない住宅(俗に「ゼロキューブ型」と呼ばれるデザイン)が増えています。

軒がないことで、外観がすっきりとしたモダンな印象になり、コストも抑えられるというメリットがあります。

しかし、日本の気候——特に四季の変化が激しく、豪雪・猛暑・豪雨のすべてを経験する新潟のような地域では、軒を省略することで建物の寿命や快適性に思わぬ影響が出ることがあります。

パッシブデザイン(自然の力を活かして省エネ・快適性を高める設計手法)の観点から、軒・ひさしの本当の価値を改めて整理してみましょう。

新潟の冬だけじゃない!夏の強烈な西日とゲリラ豪雨から家を守る「軒(のき)とひさし」のパッシブデザイン効果

パッシブデザインの基本原理:「太陽の高さ」が季節でこんなに違う

軒・ひさしの効果を理解する上で欠かせないのが、太陽高度(太陽の位置の高さ)は季節によって大きく変化するという事実です。

新潟のある北緯37度付近で見ると、夏至(6月頃)の南中時の太陽高度は約76度と非常に高い位置にあるのに対し、冬至(12月頃)は約30度と低い位置になります。

この約46度の差を利用するのが、軒・ひさしを使ったパッシブデザインの基本原理です。

  • 夏(太陽高度が高い):軒やひさしが影を作り、強い直射日光を遮る
  • 冬(太陽高度が低い):軒の下を通り抜けて、日差しが室内の奥まで届く

つまり、適切な長さの軒・ひさしを南面の窓に設けることで、「夏は日差しを遮り、冷房効率を高める」「冬は日差しを取り込み、暖房効率を高める」という、季節に応じた理想的な光のコントロールが、電気を一切使わずに実現できるのです。

新潟の冬だけじゃない!夏の強烈な西日とゲリラ豪雨から家を守る「軒(のき)とひさし」のパッシブデザイン効果

重要な注意点:軒・ひさしは「西日」には効きにくい

ここで、多くの方が誤解しがちな重要なポイントをお伝えします。

軒・ひさしが効果を発揮するのは、太陽が高い位置にある南面の窓に対してです。

一方、朝方の東からの太陽光(朝日)や、夕方の西からの太陽光(西日)は、太陽の高度が低いため、軒やひさしだけでは日射を遮る効果がほとんどありません

新潟の夏、特に西日が強く差し込む時間帯の日射熱は、実は南面の冬の日射熱よりも大幅に多いというデータもあります。

つまり、「軒があれば西日も防げるだろう」という考え方は、パッシブデザインの原理からすると正確ではないのです。

西日対策には、軒・ひさしとは別のアプローチが必要になります。

西日に効果的な対策

  • 縦型のルーバー(羽根板):西面の窓の外側に縦方向の格子を設置し、低い角度からの日差しを遮る
  • 外付けブラインド・シェード:窓の外側に設置することで、室内に入る前に熱そのものをカットできる
  • 落葉樹の植栽:夏は葉が茂って日差しを遮り、冬は落葉して日当たりを確保できる
  • 西面の窓を最小限にする設計:そもそも西向きの大きな窓を避けるという間取りの工夫

清新ハウスでは、南面には軒・ひさしによる季節対応の日射調整を行い、西面には別途、縦格子や外付けブラインドを組み合わせることで、方位ごとに適した日射対策を設計に組み込んでいます。

新潟の冬だけじゃない!夏の強烈な西日とゲリラ豪雨から家を守る「軒(のき)とひさし」のパッシブデザイン効果

軒・ひさしがもたらす、夏のもう一つの効果:「窓辺の温度上昇の抑制」

軒・ひさしによって南面の窓への直射日光を遮ることで、窓ガラス表面の温度上昇そのものを防ぐ効果もあります。

窓ガラスに直射日光が当たり続けると、ガラス自体が高温になり、その熱が室内に「輻射熱」として伝わります。

エアコンが室内の空気を冷やしても、窓ガラスからの輻射熱によって体感温度が下がりにくくなる、という現象が起こります。

軒・ひさしで窓ガラスへの直射日光そのものを遮ることで、この輻射熱の発生を根本から抑えられます。

結果として、同じ設定温度でもエアコンの効きが良く感じられ、冷房の稼働時間・消費電力を抑える効果につながります。

新潟の冬だけじゃない!夏の強烈な西日とゲリラ豪雨から家を守る「軒(のき)とひさし」のパッシブデザイン効果

軒がもたらす、もう一つの重要な役割:「雨からの保護」

パッシブデザインの日射調整効果と並んで、軒には建物を雨から守るという、非常に実用的な役割があります。

① 外壁への雨がかりを減らす

軒の出(外壁から軒先までの水平距離)が長いほど、外壁に直接当たる雨の量が減ります。

外壁の劣化スピードは、紫外線だけでなく雨水にさらされる頻度にも大きく左右されるため、軒があることで外壁塗装の劣化を遅らせる効果が期待できます。

② ゲリラ豪雨時の「窓まわりの吹き込み」を軽減する

近年増加している線状降水帯・ゲリラ豪雨では、横殴りの強い雨が発生することがあります。

軒・ひさしがあることで、窓サッシまわりへの雨の吹き込みを一定程度軽減し、コーキングの劣化・雨漏りリスクを抑える効果があります。

③ 基礎まわりの泥はねを防ぐ

軒がない、または極端に短い建物では、地面に降った雨が跳ね返り、外壁の下部が泥はねで汚れやすくなります。

軒があることで、この泥はねの範囲を狭められます。

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「軒のない家」を選ぶ場合の対策

デザイン性を重視して軒のない住宅を選ぶ場合でも、以下のような対策を組み合わせることで、軒の役割をある程度補うことができます。

  • 高耐候性の外壁材・塗料を採用する:紫外線・雨水への耐性が高い素材を選ぶことで、軒がない分のリスクを軽減
  • 窓には遮熱・断熱性能の高いLow-Eガラスを採用する:軒による日射遮蔽ができない分、ガラス自体の性能でカバーする
  • 外付けブラインド・シェードを標準的に設置する:軒の代わりに、可動式の日除けで対応する
  • 雨仕舞い(あまじまい)の設計を特に丁寧に行う:軒がない分、窓まわり・シーリング処理をより入念に施工する

軒をなくすという選択自体は問題ではありませんが、その分のリスクを、別の技術でカバーする設計上の工夫が不可欠です。

清新ハウスの「軒の設計」で大切にしていること

清新ハウスでは、新潟の気候特性を踏まえ、以下の考え方で軒・ひさしの設計を行っています。

① 南面は「太陽高度の年間変化」を計算して軒の出を決める

夏至・冬至の太陽高度を考え、夏は日差しを遮り、冬は日差しを取り込める最適な軒の出(長さ)を設計段階で検討します。

② 西面は軒に頼らず、別の日射対策を組み合わせる

前述の通り、軒だけでは対応できない西日に対して、ルーバーや植栽計画など、方位に応じた個別の対策を提案しています。

③ デザイン性と機能性の両立を追求する

「軒がある家=古臭い」というイメージを払拭するため、深い軒でもすっきりと見えるディテールや、軒天井の素材・照明計画にもこだわり、モダンな外観と機能性を両立させています。

まとめ

軒・ひさしのパッシブデザイン効果について、覚えておいてほしいポイントを整理します。

  • 太陽高度は夏(約76度)と冬(約30度)で大きく異なり、この差を利用するのが軒・ひさしの基本原理
  • 軒・ひさしは南面の窓に対して効果的だが、太陽高度が低い西日・朝日には効きにくい
  • 西日対策には、縦型ルーバー・外付けブラインド・落葉樹の植栽など、別のアプローチが必要
  • 軒は日射調整だけでなく、外壁への雨がかり軽減・雨漏りリスク低減という実用的な役割も持つ
  • 軒のない住宅を選ぶ場合は、外壁材の耐候性・窓ガラスの性能・外付けブラインドなどで補う工夫が必要

デザイン性と快適性、そして家の寿命——このすべてを両立させるために、軒・ひさしの設計は、新潟の気候だからこそ、じっくり検討する価値があるポイントです。

 

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