「新築したら、今度こそ家をきれいに保ちたい!」
家づくりを考えている方なら、誰もが一度はそう思うのではないでしょうか。
そのために、ウォークインクローゼットを大きくしたり、玄関収納を充実させたり、キッチンにパントリーを設けたり……。収納計画に力を入れる方は多くいます。
もちろん、十分な収納量を確保することは大切です。
しかし、収納をたくさんつくったはずなのに、なぜか家の中が散らかってしまう。
そんな経験はありませんか?
実はその原因のひとつが、「一時置き場」がないことです。
「収納が足りない」のではなく「置く場所が決まっていない」
家の中にある物をすべて、使うたびに元の収納場所へ戻せれば理想的です。
ところが、実際の暮らしではそう簡単にはいきません。
例えば、
・帰宅して玄関に置いた買い物袋
・ポストから持ってきた郵便物
・子どもの保育園バッグ
・明日着る予定の上着
・宅配便で届いた荷物
・スマートフォンや鍵
・あとで片付ける予定の書類
・洗濯物を畳む前の一時置き
・学校や保育園から持ち帰った作品
など、「今すぐ収納するほどではないけれど、床やテーブルには置きたくない」という物が、毎日のように発生します。
こうした物には、実は**“一時的に置くための場所”**が必要です。
一時置き場がないと、とりあえずダイニングテーブルの上、ソファの上、キッチンカウンターの上、床の隅……というように物が集まっていきます。
そして気が付くと、
「なんだか家の中が散らかっている」
という状態になってしまいます。
つまり、片付かない原因は、必ずしも収納量の不足だけではありません。
「一度置く」という人の行動を想定した収納計画になっているかが重要なのです。
一時置き場は「生活動線」の途中につくる
一時置き場をつくるときに大切なのは、使いやすい場所に設けることです。
どれだけ収納スペースが大きくても、使う場所から遠ければ、結局そこまで持っていくのが面倒になってしまいます。
例えば、帰宅したとき。
玄関→手洗い→リビングという動線で生活するのであれば、玄関付近にバッグや郵便物などを一時的に置ける場所があると便利です。
「帰ってきたら、とりあえずここに置く」という場所が決まっていれば、床やソファに物を置くことも減ります。
ポイントは、片付ける場所ではなく、片付けるまでの中継地点をつくることです。
玄関にあると便利な「一時置き場」

玄関は、家の中でも物が集まりやすい場所です。
外から帰ってきたときには、バッグ、郵便物、買い物袋、子どもの荷物、上着など、さまざまな物を持ち込むからです。
そこでおすすめなのが、玄関収納の一部に「一時置きスペース」をつくる方法です。
例えば、
・バッグを置けるカウンター
・鍵や印鑑などを置く小さな棚
・郵便物を一時的に置けるスペース
・子どもの通園バッグを掛けるフック
・上着を掛けられるハンガーパイプ
などです。
特に小さなお子さんがいる家庭では、「子どもの荷物をどこに置くか」を決めておくだけでも、リビングへの荷物の持ち込みを減らしやすくなります。
ダイニングは「何でも置き場」になりやすい

家の中で特に物が集まりやすいのが、ダイニングテーブルです。
食事をする場所である一方、
「あとで確認する書類」
「子どものプリント」
「郵便物」
「スマートフォン」
「薬」
「学校・保育園関係のもの」
などが集まりやすい場所でもあります。
だからこそ、ダイニング周辺には小さな一時置き場を用意しておくのがおすすめです。
例えば、壁面に浅い棚を設けたり、ダイニングテーブルの近くに収納カウンターを設けたりする方法があります。
ここで重要なのは、大容量の収納にする必要はないということ。
毎日使う物を「とりあえず置く」ためのスペースなので、奥行きの浅い棚でも十分役立ちます。
洗面所・ランドリールームにも「一時置き」が必要

洗面所も、一時置き場が活躍する場所です。
例えば、脱いだ服を洗濯する前に置く場所、洗濯後に畳む前の衣類、タオル、着替えなど。
収納場所だけを考えるのではなく、
「洗濯する前」
「洗濯したあと」
「収納する前」
という途中の状態まで考えておくと、家事がしやすくなります。
ランドリールームにカウンターを設けておけば、洗濯物を畳んだり、一時的に置いたりすることもできます。
ただし、ここでも大切なのは「何を置くための場所なのか」を決めておくこと。
何でも置ける場所にしてしまうと、今度はその場所自体が散らかってしまいます。
「一時置き場」と「永久放置スペース」は違う

一時置き場をつくるときに注意したいのが、“とりあえず置いておく場所”が“永久に片付かない場所”にならないようにすることです。
一時置き場は、あくまでも「次の行動までの仮置き」です。
例えば、
「郵便物はここに置く→夜に確認する」
「保育園バッグはここ→翌朝そのまま持っていく」
「買い物袋はここ→中身を冷蔵庫や収納へ入れる」
というように、その後の行動までセットで考えます。
また、一時置き場を大きくしすぎないこともポイントです。
スペースが広すぎると、物を置くことへの心理的なハードルが下がり、どんどん物が集まってしまいます。
家族ごとに「自分の置き場」をつくる

家族が多いほど、「誰の物なのか分からない」という問題も起こります。
そこでおすすめなのが、家族それぞれに一時置き場を用意することです。
例えば、
「パパのバッグ」
「ママのバッグ」
「子どもの通園バッグ」
というように、個人ごとに置き場所を決めておきます。
特に子どもが成長すると、ランドセル、習い事バッグ、学校用品など、持ち物が一気に増えていきます。
最初から大きな収納をつくるのではなく、家族の成長に合わせて使い方を変えられる場所として計画しておくのもよいでしょう。
家づくりでは「収納量」だけを見ない
収納計画というと、
「何帖の収納が必要?」
「クローゼットは何個?」
「棚を何段つくる?」
という話になりがちです。
もちろん収納量は重要ですが、それだけでは十分ではありません。
大切なのは、
「家の中で、物がどこから入ってきて、どこへ移動して、最終的にどこへ収納されるのか」
を考えることです。
家に帰る。
バッグを置く。
郵便物を確認する。
買った物をしまう。
上着を脱ぐ。
子どもの荷物を置く。
洗濯物を畳む。
こうした日常の行動をひとつずつ思い浮かべると、「ここにちょっと置ける場所が欲しい」というポイントが見えてきます。
「片付けやすい家」は「置きやすい家」
家をきれいに保つためには、収納量を増やすことだけが正解ではありません。
むしろ、毎日の生活の中で必ず発生する「一時的に置く」という行動を無視してしまうと、どれだけ収納を増やしても物があふれてしまうことがあります。
大切なのは、
収納する場所だけでなく、収納するまでの“途中の場所”も考えること。
玄関にはバッグや郵便物。
ダイニングには書類や小物。
洗面所には洗濯物や着替え。
家族それぞれには個人の荷物。
このように、暮らしの動線に合わせて小さな一時置き場を設けることで、「片付けなきゃ」と頑張らなくても自然と物が散らかりにくい家をつくることができます。
家づくりで収納を考えるときは、「どれだけ収納できるか」だけではなく、
「家族は、物をどこに一度置くのか?」
まで考えてみてはいかがでしょうか。
片付けやすい家とは、収納が多い家ではなく、暮らしの中で物が自然に収まる場所が用意されている家なのかもしれません。
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