キッチンのシンク周りや洗面台の縁に、どうしても取れない黒カビがある。
カビ取り剤を塗って、ラップで密着させて、30分置いてそれでも消えない。
それは、カビ取り剤で落ちないカビは、コーキング材の内部まで浸透したカビです。
表面を漂白しても、内部のカビ菌は死滅しません。
また同じ場所に、また黒くなる。
この繰り返しです。
解決策はひとつ。
古いコーキングを剥がして、新しいものに打ち替える。
これ、DIYでできます。
必要な道具は「カッター・マスキングテープ・防カビシリコン・コーキングガン」だけ。
全部ホームセンターで2,000〜3,000円程度で揃えられます。
作業時間は1〜2時間。
乾燥時間を含めても翌日には使えるようになります。
今回は「失敗しないコーキング打ち替えのコツ」をお話します。

「コーキング」とは何か。なぜカビが生えるのか
コーキング(シーリング)とは、キッチンシンク・洗面台・浴室などの水回りで、素材と素材の接合部や隙間を塞ぐために使われるゴム状の充填材です。
シリコン系・変成シリコン系・ウレタン系など種類がありますが、水回りに最もよく使われるのは「シリコン系コーキング」(シリコンシーリング)です。
なぜカビが生えるのか
コーキング材は年数が経つにつれて硬化・劣化します。表面に微細な亀裂が生まれ、そこに水分・石鹸カス・皮脂が入り込みます。
これがカビ菌の栄養になり、黒カビが繁殖します。
「防カビ剤入りのシリコンコーキング」でも、5〜10年程度経過すると同様の劣化が起きます。
「永久に持つ素材」ではないことを覚えておいてください。
コーキングの打ち替えが必要なサイン
- 黒カビが定期的に繰り返し発生する
- カビ取り剤を使っても黒ずみが消えない
- コーキングの表面にひび割れ・亀裂がある
- コーキングが剥がれてきている・浮いている
- コーキングが硬くなって弾力がなくなっている
これらが見られる場合、打ち替えのタイミングです。

用意するもの
ホームセンターで全部揃えられます。
必須道具・材料
- カッターナイフ(新しい刃を用意すること。切れ味が作業の成否に直結する)
- マスキングテープ(幅12〜18mm程度が扱いやすい)
- 防カビシリコンシーリング剤(キッチン・バス用の防カビタイプ。白・半透明などカラーを選ぶ)
- コーキングガン(シーリング材を押し出すための器具。300〜600円程度)
- ヘラまたはプラスチックのへらスティック(充填後の表面を均すため)
- 古いタオル・キッチンペーパー(拭き取り用)
- ゴム手袋
あると便利なもの
- シーリング剥がし材(古いコーキングを柔らかくして剥がしやすくする液)
- 綿棒(コーナーの仕上げに)
- スプレーボトルに水(または中性洗剤水)(ヘラで均すときに使う)

全手順。失敗しないための順番とコツ
STEP 1:作業前の清掃・乾燥(30分〜1時間)
古いコーキングを剥がす前に、作業箇所をよく洗って乾かします。
水分・油分・洗剤が残った状態で新しいシリコンを充填すると、シリコンが密着せず剥がれやすくなります。
清掃後、ドライヤーで乾燥させるか、十分に乾燥時間を取ってください。
これを省略したくなる気持ちは分かりますが、STEP1の乾燥が「新しいコーキングの密着性」を決める最重要工程です。
絶対に省略しないでください。
STEP 2:古いコーキングをカッターで剥がす(20〜40分)
カッターで古いシリコンコーキングを剥がします。
切り方のコツ
コーキングの両端(素材との境目)に沿って、カッターの刃を寝かせるように当てて切り込みを入れます。
シンクと壁の接合部のコーキングなら、シンク側とタイル・パネル側の両方にカッターを入れます。
「コーキングの両側に切り込みを入れて、コーキング本体を引き剥がす」イメージです。
一気に剥がそうとせず、少しずつ手でめくりながら進めると綺麗に取れます。
細部の残ったコーキング
カッターで剥がしきれない細部の残りは、シーリング剥がし材を塗って数分置いてから、古い歯ブラシや綿棒で擦り落とします。
完全に除去することが重要:古いコーキングが残っていると、新しいシリコンが密着できません。面倒でも、できる限り完全に除去してください。
STEP 3:下地の清掃・乾燥(再確認)(10〜20分)
古いコーキングを除去した後、接合部を再度きれいに清掃・乾燥させます。
コーキングを剥がした際に、カビ・汚れ・黒ずみが残っていることがあります。
カビキラー等を使って下地を清潔にし、完全に乾燥させてから次のステップへ。
この段階で「下地にカビが深く食い込んでいる」場合は、カビキラーを塗布してラップで密閉して30〜60分置いてから拭き取ると効果的です。
STEP 4:マスキングテープを貼る(10〜15分)
これが仕上がりの美しさを決める最重要ステップです。
打ち替え箇所の両側(コーキングを充填する幅の外側)にマスキングテープを貼ります。
貼り方のポイント
- コーキングを充填したい幅(通常3〜8mm程度)より少し外側にテープを貼る
- テープをまっすぐ貼ることで、コーキングの仕上がりラインが決まる
- コーナー部分は特に丁寧に。角が汚くなりやすい部分です
「マスキングを丁寧に貼った人」と「適当に貼った人」の仕上がりは、見た目で一目瞭然です。
時間をかけてでも丁寧に貼ることが、美しい仕上がりへの最大の投資です。
STEP 5:シリコンシーリングを充填する(10〜15分)
コーキングガンにシーリング材をセットして、接合部に充填します。
充填のコツ
- ノズルの先端をカッターで斜めにカットする(切り口の角度・大きさがビード幅を決める)
- ノズルの先端を接合部の奥に当てながら、一定のスピードで引きながら充填する
- 一度に長い距離を充填しようとせず、30〜50cm程度で止めて均す作業と交互に進める
充填量は「マスキングテープより少し盛り上がる程度」が目安。
少なすぎると接合部をしっかり塞げない。
多すぎると均しにくくなります。
STEP 6:ヘラで表面を均す(5〜10分)
充填したシリコンの表面をヘラで均します。
ヘラ(または指)に水または薄めた中性洗剤水をつけてから均すと、シリコンがヘラに付きにくくスムーズに作業できます。
ヘラを一定の角度で当てながら、一方向に引いて均します。
途中で止めるとその部分がでこぼこになるため、一気に端まで引き切ってください。
コーナー部分は綿棒を使って丁寧に均すと、きれいに仕上がります。
STEP 7:マスキングテープを剥がす(すぐに)
均し作業が終わったら、シリコンが乾く前にすぐにマスキングテープを剥がします。
乾いてからテープを剥がすと、コーキングと一緒に剥がれてしまうことがあります。
均した直後に、慎重にゆっくり剥がしてください。
テープを剥がすときは「コーキングから離れる方向」に引くようにすると、きれいに剥がれます。
STEP 8:乾燥(24〜48時間)
シリコンシーリングは、乾燥・硬化に24〜48時間かかります。
この間は水に触れさせないでください。

「失敗した」と感じたときの対処法
仕上がりがでこぼこになった
シリコンが乾く前(1〜2時間以内)であれば、水をつけたヘラで再度均せます。
乾いてしまった場合は、完全硬化後に剥がして打ち直す。
マスキングテープを剥がしたらコーキングが一緒に剥がれた
乾燥してからテープを剥がした可能性があります。
剥がれた部分に再度シリコンを補充して均し直してください。
はみ出した部分が硬化してしまった
硬化したシリコンの除去はカッターで丁寧に切り取ります。

まとめ
コーキング打ち替えDIYについて、覚えておいてほしいポイントです。
- カビ取り剤で落ちない黒カビは「コーキング内部への浸透」が原因。打ち替えしかない
- 必要な道具:カッター・マスキングテープ・防カビシリコン・コーキングガン(全部で2,000〜3,000円程度)
- 最重要は「古いコーキングの完全除去」と「乾燥」と「マスキングテープを丁寧に貼ること」
- 充填は少しずつ・均しはヘラに水をつけて一方向に引く
- マスキングテープはシリコンが乾く前(均し直後)に剥がす
- 乾燥・硬化は24〜48時間待つ
- 打ち替え目安は5〜10年。使用後の水気拭き取りが長持ちの秘訣
水回りのコーキングは「どうせまた黒くなるから」と諦めている方、打ち替えることで本当にリセットできます。
今週末試してみてください。
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