
【導入:雨の日に鳴り出す床の音、実は自然な現象です】
新潟も本格的な梅雨の季節に突入しました。
外は雨がしとしとと降り、家の中の湿度も急上昇するこの時期。
「あれ?冬の間は全く鳴らなかったのに、最近リビングを歩くと『ミシミシ』『ピシッ』と床から音がする……」
「もしかして、家が傾いているの?欠陥住宅?」
雨の日が増え、お家の中がジメジメし始めると、このような「床鳴り」に関するご不安の声をいただくことが増えます。
せっかく建てたマイホームから異音がすれば、構造的な不安を感じてしまうのは当然のことです。
しかし、新潟市で長く住まいづくりに携わるプロの視点から、結論を申し上げます。
その床鳴り、多くの場合まったく心配いりません。
特に、私たちがご提供しているような「本物の無垢材」を用いた家において、梅雨時の床鳴りは、家が不具合を起こしているのではなく、家が「生きている(呼吸している)」という何よりの証拠なのです。
今回は、なぜ梅雨の時期に床が鳴るのかという真実のメカニズムと、安心して放っておいていい床鳴り・プロの補修が必要な床鳴りの正しい見極め方を優しく解説いたします。

1. なぜ梅雨の時期だけ「床」が鳴るのか?
床が鳴る原因は、使われている床材の種類によって大きく2つに分かれます。
・合板フローリングの場合: 複数の薄い板を接着剤で貼り合わせた合板フローリングは、長年の湿気や経年変化によって接着剤が劣化し、板同士が剥がれて擦れ合うことでミシミシと音が鳴ることがあります。また、床材を止めている釘(フロアタッカー)と木材が擦れる「釘鳴り」も原因の一つです。
・無垢材フローリングの場合: 私たちが標準仕様としているような無垢材は、接着剤で固められた工業製品ではありません。伐採され、床板に加工された後も、木は呼吸を続けています。
梅雨の時期、空気中の湿度が急激に高くなると、無垢材はその湿気をスポンジのようにグングンと吸い込みます。
水分を吸った木は、わずかに「膨張」します。
すると、隣り合う床板同士がギュッと押し合い、人が上を歩いて体重がかかった際に、木と木が擦れ合って「ミシッ」「キュッ」という摩擦音(専門用語で「実鳴り(さねなり)」と言います)が発生するのです。
2. 湿度をコントロールする「呼吸する家」の証拠
「音が鳴るのは嫌だな」と思われるかもしれませんが、この「木が湿気を吸って膨張する」という働きこそが、新潟の過酷な梅雨を快適に乗り切るための最大の武器になります。
清新ハウスがこだわる「30mm厚の杉無垢床」は、一般的なフローリング材(約12mm)の2倍以上の厚みがあります。
つまり、それだけ大量の木材が室内に敷き詰められているため、湿気を吸い込む容量(調湿能力)が桁違いに大きいのです。
さらに、壁に施工された「越前和紙」もまた、無数の小さな穴で湿気を吸い込みます。
この「床と壁のダブルの調湿効果」により、家全体が巨大な天然の除湿機として働きます。
床がミシミシと鳴っている時は、「今、杉板が一生懸命に部屋の湿気を吸い込んで、空間をカラッとさせてくれているんだな」と捉えてみてください。
事実、梅雨が明けて空気が乾燥する秋から冬にかけて、木は蓄えた水分を放出して元のサイズに収縮するため、この季節性の床鳴りは自然とスッと消えていくことがほとんどです。

3. プロが教える「安全な床鳴り」と「危険な床鳴り」
とはいえ、すべての床鳴りを放置していいわけではありません。
ご自身で簡単にできる「見極めのポイント」をお伝えします。
【放っておいていい床鳴り(自然現象)】
・音が鳴る場所が変わる: 日によって、あるいは湿度によって鳴る場所が移動する。
・音の質が軽い: 「ピシッ」「キュッ」「パキッ」といった、木が擦れるような比較的軽い音がする。
・床が沈まない: 音は鳴るが、踏んだ時に床がフカフカと沈み込む感覚はない。
・季節で変化する: 梅雨時や、逆に極端に乾燥する冬場だけ鳴る。
【補修が必要な危険な床鳴り(構造的な問題)】
・床がブカブカと沈み込む: 上を歩くと、明らかに床が下へ大きく沈む感覚がある。
・重く鈍い音がする: 「ギシギシ」「ボコン」といった、床の表面ではなく、その下の基礎部分から響くような重い音がする。
・一年中、同じ場所で鳴り続ける: 季節や湿度に関係なく、常に同じ箇所で大きな音が鳴る。
このような「沈み込み」や「重い異音」を伴う場合は、床板そのものではなく、床を支える下の木材(根太や大引)の腐朽、あるいはシロアリの被害が進行している可能性があります。
この場合は、一刻も早いプロの点検と補修が必要です。

家も生きている。季節の変化をおおらかに楽しむ暮らし
プラスチックやビニールで作られた工業製品は、完成した瞬間が一番綺麗で、あとは劣化していくだけです。
音も鳴らない代わりに、調湿もしてくれません。
一方で、本物の自然素材を使った家は、季節の移ろいや天候に合わせて自らの姿を変化させます。
湿気が多い日は少し膨らんで音を立て、乾燥する日は縮んで隙間を作る。
それは、ご家族と一緒に家も呼吸をし、生きている証です。
「あ、今日は床が鳴っているから、外はかなり湿度が高いんだな」
そんな風に、自然の変化をおおらかに感じ取る暮らしは、とても豊かで精神的なゆとりをもたらしてくれます。
もし今、ご自宅の床鳴りが「自然現象なのか、危険なサインなのか分からない」とご不安に思われている場合は、お気軽に私たちまでご相談ください。
地域の住まいを守る住宅会社として、確かな知識でご自宅の床の状態を正確に診断いたします。
自然素材の特性を正しく理解し、安心して健やかな梅雨をお過ごしください。
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