
「床のDIY、重ね張りで失敗した」という話、けっこう聞きます。
YouTubeを見ながら施工して、見た目はきれいに仕上がった。
達成感もあった。
でも3ヶ月後から床鳴りが始まって、半年後にはドアが引っかかるようになった…
こういうパターンです。
「重ね張り」は、既存の床の上に新しい床材を直接張る方法です。
既存床を剥がさないので廃材が出ない・施工が速い・コストが安い。
DIY向きに見えます。
実際、ホームセンターでも「重ね張り用のフローリング材」が売られています。
でも「手軽にできる」と「ちゃんと仕上がる」は別の話です。
確認しておくべきことをすっ飛ばしたまま進むと、後悔します。
今回はその話をします。
「重ね張り」の基本。何をやっているか
まず「重ね張り」が何をやっているかを整理します。
既存の床(フローリング・畳・クッションフロア等)の上に、新しい床材(フローリング材・フロアタイル等)を接着剤・両面テープ・釘等で固定していく方法です。
「張り替え(既存床を剥がして新しい床を張る)」と対比して、既存床を剥がさない分だけ手間が省けます。
重ね張りのメリット
- 既存床を剥がす手間がない
- 廃材が出ないのでゴミ処理が楽
- 施工日数が短縮できる
- コストが下がりやすい
- 既存床の上からかぶせるので、アスベスト含有の可能性がある古い床材を触らずに済む
重ね張りのデメリット(ここが本題)
- 床の厚みが増える(6〜12mm程度)
- 下地の状態が重ね張り後も影響し続ける
- 施工後に下地の問題が発覚しても対処しにくい
メリットに見える部分が、実は「問題を先送りにしているだけ」になるケースがあります。

「数ヶ月で床鳴りが始まる」なぜ起きるか
重ね張りDIYで最も多い失敗が「床鳴り」です。
床鳴りは「歩くたびにギシギシ・コンコン・キュキュ」という音が出る状態です。
なぜ起きるかというと、大半は「床の動き」が原因です。
下地の不陸(凹凸)が原因
「不陸(ふりく)」とは、床面の凹凸・傾き・うねりのことです。
完全にフラットな床はほとんどありません。
特に築年数が経っている家の床は、木材の収縮・乾燥・沈み込みなどで、数ミリ単位の凹凸が生じています。
下地の不陸があると、張り付けた新しいフローリング材が完全に密着しない部分ができます。
密着していない部分は、歩くたびに床材が上下に動きます。
この動きが「ギシギシ」という音を出します。
「重ね張り前に下地の状態を確認して、必要なら補修してから張る」という手順が必要なのに、ここをすっ飛ばすと数ヶ月後に音が出始めます。
接着剤の不足・施工不良
フローリング材を床に固定する接着剤が均一に塗られていないと、接着できていない部分ができます。
この部分が歩行時に動いて床鳴りになります。
DIYで「多少ムラがあっても大丈夫だろう」と思ってしまいやすいところです。
既存床の劣化が進んでいる
既存床が腐朽・シロアリ被害・水濡れで傷んでいる場合、その上に重ね張りしても下地がしっかりしていないため、床鳴りが起きやすくなります。
「上から新しい床を張れば隠れる」という発想は、問題を隠しているだけで解決していません。
「ドアが引っかかる」厚みの計算を忘れている
床鳴りと並んで多いのが「ドアが開かなくなった・引っかかるようになった」という問題です。
重ね張りで床の厚みが増えます。
一般的なフローリング材は6〜12mm程度です。
既存床の上に12mmの材を張ると、床の高さが12mm上がります。
ドアとの関係
室内ドアは「床との隙間が数mm」という状態で設置されています。
床が12mm上がると、この隙間がなくなってドアが床に引っかかります。
「ドアを開閉するたびに床を削る」という状態になります。
対策は「ドアの下端を切り落として短くする」か「ドア枠・丁番の位置を調整する」ですが、これはDIYとしてかなり難易度が上がります。
「床のDIYだと思っていたら、ドアの工事も必要になった」という事態です。
建具(ふすま・引き戸)との関係
室内ドア(開き戸)だけでなく、ふすま・引き戸も同様です。
床のレールに沿って動く建具は、床の厚みが増えると引っかかります。
引き戸のレールが床に埋め込まれている場合、特に問題になります。
巾木(はばき)との関係
巾木は壁と床の境目に取り付けられている細い板です。
床との密着が前提で取り付けられているため、床の高さが変わると床と巾木の間に隙間ができます。
「新しい床が張れた・きれいになった」と思ったら、壁の下に沿って全部隙間ができていた、という状態になることがあります。

施工前に確認すべき5つのこと
「重ね張りをやる前に、ここを確認してほしい」というリストです。
① 床の高さがどれだけ上がるか計算する
張ろうとしている床材の厚みを確認します。6mm・9mm・12mm、材によって違います。
「この厚みで張った場合、ドア・建具・巾木に影響が出るか」を確認してから着手してください。
「影響が出るなら、ドアの調整が必要」という判断ができれば、施工の計画が変わります。
② 下地の不陸を確認する
「水平器(レベル)」「長い定規」を使って、既存床の凹凸を確認します。
凹凸が3mm以上ある場合はパッキンなどで下地を調整して重ね張りする必要があります。
この手間を惜しむと、後で床鳴りが出ます。
③ 既存床の状態を確認する
既存床に腐朽・シロアリ被害・水漏れの形跡がないかを確認します。
「踏んだときにふかふかする」「黒ずんでいる・腐った臭いがする」という部分がある場合は重ね張りではなく「張り替え」が必要です。
重ね張りで隠しても問題は解決しません。
腐朽が進んでいる下地の上に新しい床を張っても、数年後に同じか・もっと大きな問題が出ます。
④ 扉・建具の対応方針を決めてから着手する
床の高さが上がる場合、ドア・引き戸・ふすまの調整が必要かどうかを事前に確認します。
「調整が必要だと分かった→調整の方法と費用を確認してから着手する」という順番が正しいです。
「床を張ってからドアが引っかかることに気づく」のは困ります。
特に賃貸物件でのDIYは要注意です。
ドアを調整してしまうと「原状回復」の問題になります。
⑤ 端部の処理(見切り材・巾木)の計画を立てる
床の厚みが変わると、部屋と廊下の境目・巾木との取り合いで「段差」「隙間」が生じます。
「見切り材(異なる素材・高さの床の境目に使う細い部材)」「巾木の交換・再取り付け」という処理が必要かどうかを確認してから着手してください。

「下地を整える」という工程の重要性
プロが床工事をするとき、必ず「下地の確認・調整」をしてから張ります。
これが「手間と時間がかかる」という意味で、DIYで省略されやすい部分なのですが、プロはここを重要視しています。
「重ね張り」vs「張り替え」どちらを選ぶか
「重ね張り」と「張り替え(既存床を剥がして新しい床を張る)」の選択基準を整理します。
重ね張りが向いているケース
- 既存床の状態が良い(腐朽・シロアリなし・不陸が少ない)
- 床の高さが上がっても建具に影響が出ない
- DIYでの施工でコストを抑えたい
- 短期間で仕上げたい
張り替えが向いているケース
- 既存床に腐朽・シロアリ・水濡れの形跡がある
- 「ふかふかする」「床鳴りがある」という既存の問題がある
- 床の高さを変えたくない(建具への影響を避けたい)
- 長期的にしっかり仕上げたい
「重ね張りにするか張り替えにするか」は「既存床の状態」で決まります。「コストが安いから重ね張り」という理由だけで選ぶのは危険です。

「プロに頼む・相談する」という選択肢
「DIYでやりたいが、下地の状態が心配」
「床鳴りが始まってしまった」
「ドアが引っかかるようになった」
こういう相談、清新ハウスで受け付けています。
「全部プロに任せる」ではなくて「下地の確認だけ見てほしい」「問題箇所を教えてほしい」という部分的な相談にも対応できます。
「DIYをやりたいけど、先に専門家に確認したい」というのは合理的な判断です。
「失敗してから相談する」より「失敗する前に相談する」方がコストも手間も少なくて済みます。
特に以下のケースは、DIY着手前に専門家への相談をおすすめします
- 床が柔らかい・ふかふかする部分がある
- 既に床鳴りがある(重ね張りしても解決しない)
- 水回り(キッチン・洗面台周辺)の床を張り替えたい
- 賃貸物件でDIYをしようとしている
- ドア・建具の調整が必要になりそうで判断できない
まとめ
床の重ね張りDIYで後悔しないために、確認すること。
「床の高さがどれだけ上がるか」
「既存床の下地は平らか・傷んでいないか」
「ドア・建具・巾木は影響を受けるか」
この3つを施工前に確認してから着手してください。
見た目がきれいに仕上がった達成感で終わるのが理想ですが、数ヶ月後に「床鳴り・ドアが引っかかる・巾木に隙間」という問題が出てからでは対処がずっと大変になります。
下地の確認・調整という「地味な工程」を丁寧にやることが、DIYの仕上がりを左右します。
ご相談はLINEからどうぞ
「床のDIY前に相談したい」「床鳴りが始まってしまった」「床の状態を見てほしい」という方はLINEでご連絡ください。
👉 LINEでご相談(リンク)
LINEで気軽に無料相談

【モデルハウス公開中!】
NEW!秋葉区小戸上組分譲地内 新「蔵里」OPEN!

古民家から取り出した古材を再利用した新旧融合の新しい住まいの在り方をご体感下さい。
👇👇モデルハウス見学のご予約はこちらをクリック👇👇
