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犬将軍日記

2026/08/22

ランドリールームを作ったのに洗濯物が乾かない、それ、設計の問題です。

「洗濯物を部屋の中に干せる部屋を作ったのに、なかなか乾かなくて生乾き臭がする…」

これ、相談に来られる方からよく聞く話です。

これはランドリールームで「乾かない・臭う」は、部屋干しの問題じゃなくて設計の問題が多いです。

「部屋干し=生乾き臭がするもの」と諦めている方、正しく設計されたランドリールームは、外干しに近いかそれ以上の速さで乾きます。

乾く速度が速ければ、生乾き臭の発生もない。

室内干しの成功は「風の通り道」と「コンセントの位置」で決まります。

今回はその2つを徹底的に話します。

ランドリールームを作ったのに洗濯物が乾かない、それ、設計の問題です。

なぜ「生乾き臭」が発生するのか。原因を知れば対策が見える

生乾き臭の正体は「モラクセラ菌」という細菌が繁殖したときに発生する臭いです。

この菌は、洗濯物の繊維の中に残った汚れ(皮脂・タンパク質)を栄養源として増殖します。

増殖するのは「湿った状態が長時間続いたとき」、つまり、乾くのが遅いほど臭いやすいのです。

一般的に、洗濯物を部屋干しで「5時間以内に乾かすことができれば」生乾き臭はほぼ発生しません。

逆に言えば、5時間以上乾かない環境では生乾き臭が発生しやすくなります。

つまり「生乾き臭をなくす」ためのゴールは「洗濯物を5時間以内に乾かす環境を作ること」です。

洗濯物が乾く仕組み。「温度・湿度・風速」の3要素

洗濯物が乾くためには、以下の3要素がそろうことが必要です。

① 温度(高いほど乾きやすい):繊維から水分が蒸発しやすくなる

② 湿度(低いほど乾きやすい):周囲の空気が乾燥しているほど、水分を吸収しやすい

③ 風速(速いほど乾きやすい):蒸発した水蒸気を素早く遠ざけることで、繊維の周辺の湿度上昇を防ぐ

この3要素の中で、設計で最もコントロールしやすいのが「風速・風の流れ」です。

ランドリールームの中で「空気が淀んでいる場所」ができると、その部分の洗濯物は乾きにくくなります。

逆に、部屋全体に均一な風が流れる設計にすれば、干した洗濯物全体が均一に速く乾きます。

ランドリールームを作ったのに洗濯物が乾かない、それ、設計の問題です。

失敗する「ランドリールーム設計」の3パターン

正しい設計の話の前に、よくある失敗パターンを知っておきましょう。

失敗①:換気扇1つだけ・空気の流れがない(設計で解決)

換気扇を1箇所つけただけで、給気口(外気が入ってくる穴)を設けていない設計。

換気扇は空気を「吸い出す」だけで、吸い出した分の新鮮な空気が入ってこなければ、部屋の中の空気は循環しません。

「換気扇をつけているのに空気が淀む」の典型例です。

失敗②:換気扇と給気口が「同じ壁・近い場所」にある(設計で解決)

換気扇と給気口が近いと、入ってきた空気がすぐに排気されてしまいます(ショートサーキット)。

部屋全体に空気が行き渡らないまま排気されるため、洗濯物の周囲の湿った空気が入れ替わりません。

失敗③:コンセントが足元・遠い場所にある(設計で解決)

除湿機・サーキュレーター・衣類乾燥機などの家電を使うためのコンセントが、床近くや洗濯物から遠い場所にあると、コードが床を這って危ない・邪魔になる・コードが洗濯物に絡む、という問題が発生します。

ランドリールームを作ったのに洗濯物が乾かない、それ、設計の問題です。

正解①:「対角線上」への換気扇と給気口の配置

ランドリールームの換気設計の基本原則は対角線上に換気扇と給気口を配置することです。

部屋の「入口の対角」に換気扇を設けることで、給気口(または扉の隙間)から入ってきた新鮮な空気が部屋全体を対角線上に流れて換気扇に吸い込まれます。

この「部屋の端から端への空気の流れ」が、洗濯物周辺の湿った空気を効率よく排出します。

具体的な配置の例

  • ランドリールームの「扉側(廊下側)の上部」が給気口
  • ランドリールームの「奥の壁の天井付近」が換気扇(排気)
  • 洗濯物は対角線の流れの「中央・少し奥側」に干す

この配置にすることで、扉から入ってきた新鮮な乾燥した空気が洗濯物を通り抜けながら奥の換気扇へ流れ、洗濯物周辺の湿気を持った空気が効率よく排出されます。

換気扇のスペック選び

ランドリールーム専用の換気扇は「換気量が多いもの」を選んでください。

  • 一般的なトイレ用換気扇:50〜80m³/h程度
  • ランドリールーム推奨:100〜200m³/h以上

部屋の容積(㎥)×1時間あたりの換気回数(回)が必要な換気量の目安です。

6畳(約10㎡)・天井高2.4mのランドリールームなら、容積24㎥。1時間に5〜6回換気できる換気量(120〜150m³/h程度)が理想です。

ランドリールームを作ったのに洗濯物が乾かない、それ、設計の問題です。

正解②:サーキュレーターの「高い位置」への設置と風の当て方

換気扇で空気を動かすことに加えて、サーキュレーターで洗濯物に直接風を当てることが乾燥速度を劇的に上げる効果があります。

サーキュレーターを使う場合のポイント

  • 洗濯物に対して「斜め上から」または「真横から」風を当てる
  • 複数列に干している場合は、衣類の間を風が通り抜けるよう工夫する
  • 衣類の「内側(袖の内側・ズボンの股下)」に風が通るよう干し方を工夫する

「除湿機+サーキュレーター」の組み合わせが、部屋干し乾燥の最強コンビです。除湿機で部屋の湿度を下げながら、サーキュレーターで湿った空気を素早く運ぶ。

正解③:コンセントは「床から1m」の高い位置に設ける

ここが設計でよく見落とされるポイントです。

ランドリールームで使う家電は除湿機・サーキュレーター・衣類乾燥機。

これらは「洗濯物に向かって使うもの」です。

洗濯物はハンガーポールに吊るすため、「床から高さ1.5〜2m」の範囲にあります。

コンセントが床近く(高さ25cm程度の標準位置)にある場合、除湿機やサーキュレーターのコードが床を長く這って危険・邪魔・コードが洗濯物に絡むという問題が発生します。

ランドリールームのコンセント設計ルール

  • コンセントの高さ:床から90〜120cm程度(除湿機・サーキュレーターのコードが短くて済む高さ)
  • コンセントの数:最低でも4口(除湿機・サーキュレーター・衣類スチーマー・予備で各1口) ※多いかもしれませんが、有ったら安心です。
  • コンセントの位置:洗濯物を干す「ハンガーポールの近く・両側」に設ける

新築時・リフォーム時に設計者に「ランドリールームのコンセントは床から90〜120cmの高い位置に4口以上設けてほしい」と伝えておくことで、入居後の「コードが邪魔問題」を完全に防げます。

ランドリールームを作ったのに洗濯物が乾かない、それ、設計の問題です。

ハンガーポールの取り付け位置と数も重要

洗濯物を干す「ハンガーポール」の位置と数も、乾燥速度に影響します。

ハンガーポールの高さ

一般的なハンガーポールの高さは「床から185〜200cm」が使いやすい目安です。

洗濯物が床につかず、かつ背の低い方でも届く高さです。

天井が高い(2.4m以上)場合は、天井付近にポールを設けると空気の流れが洗濯物の上を通りやすくなります。

換気扇が天井付近にある場合は特に効果的です。

洗濯物の間隔

ハンガーとハンガーの間隔は最低5cm以上(できれば10cm以上)確保することを推奨します。

間隔が狭すぎると洗濯物同士がくっついて、乾きにくい「密着ゾーン」ができてしまいます。

ランドリールームの設計時に「何枚分の洗濯物を干すか」を想定してポールの長さ・本数を計算しておくことが重要です。

ランドリールームと隣接する空間の設計

ランドリールームの使い勝手は「どこに隣接させるか」でも大きく変わります。

最も理想的な配置

  • 脱衣室に隣接(または一体化):脱衣→洗濯→乾燥の動線が完結する
  • クローゼット・ファミリークローゼットに隣接:乾いた洗濯物をすぐ収納できる
  • 洗濯機の正面または横:洗濯機から取り出してすぐ干せる動線

「洗濯機から取り出す→ランドリールームへ移動して干す→乾いたら収納する」という一連の動線がコンパクトに完結するほど、毎日の家事ストレスが減ります。

新潟の冬・花粉シーズンにランドリールームは特に有効

新潟特有の事情も加えておきます。

新潟の冬は、積雪・強風・曇天が続く「部屋干しシーズン」が11月〜3月まで続きます。

この間、外干しはほぼできません。

梅雨時期・花粉シーズンも加えると、1年のうち半分以上が「部屋干し推奨」の状態と言っても過言ではない。

「ランドリールームなんて都市部のトレンドでしょ」と思っている方がいたら、それは逆です。

新潟こそ、ランドリールームが最も必要な地域のひとつです。

新潟の冬は室内の湿度が低くなりやすい(暖房で乾燥する)という特性もあり、除湿機の負荷が少なく洗濯物が乾きやすい時期でもあります。

適切な換気設計があれば、冬のランドリールームは非常に効率的に機能します。

広いリビングも良いですが、ランドリールームをしっかり確保しておくことで、快適な暮らしを実現します。

ランドリールームを作ったのに洗濯物が乾かない、それ、設計の問題です。

まとめ

ランドリールームの設計のポイントを整理します。

  • 生乾き臭の原因は「乾くのが遅い」こと。5時間以内に乾く環境を作ることがゴール
  • 洗濯物が乾く3要素は「温度・湿度・風速」。設計でコントロールできるのは主に「風速・風の流れ」
  • 換気扇と給気口は「対角線上」に配置することで、部屋全体に風の流れを作る
  • 換気扇の換気量は100〜200m³/h以上が目安
  • サーキュレーター+除湿機の組み合わせが乾燥最強コンビ
  • コンセントは「床から90〜120cmの高い位置・4口以上」が設計の基本
  • ハンガーポールは「洗濯物の間隔10cm以上」を確保できる本数・長さで設置する
  • 新潟こそランドリールームが最も必要な地域。冬11月〜3月の「部屋干しシーズン」に対応できる設計を

「せっかくランドリールームを作ったのに乾かない」という後悔を防ぐために、新築・リフォームの設計段階でこれらのポイントを必ず確認してください。


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