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犬将軍日記

2026/07/10

空き家を放置すると「火災保険」に入れない!? 世界的な自然災害増加と、所有者が負う賠償リスク

「誰も住んでいない実家だけど、万が一のために火災保険だけは入っているから安心」

そんな常識が、今大きく変わろうとしています。

世界的な自然災害の増加に伴い、損害保険会社の審査が非常に厳しくなっており、適切な管理がされていない空き家は「保険の更新を断られる」ケースが増えています。

もし無保険の状態で、台風で瓦が飛んで隣の車を傷つけたり、放火されてしまったら…その賠償金はすべて所有者に請求されます。

リスクを未然に防ぐための正しい管理と早期処分の重要性をお伝えします。

空き家を放置すると火災保険に入れない、世界的な自然災害増加と、所有者が負う賠償リスク

火災保険料、すでに大幅な値上げが進んでいる

まず現状を正確に把握しておきましょう。

2025年10月には全国で平均1.5倍前後の火災保険料の値上げが実施されています。

背景には、台風や豪雨、雹など自然災害の頻発と、その被害額の増大があります。

2024年の台風10号による損害保険金支払い額は約508.6億円に達し、各社で保険料の見直しが続いています。

さらに、契約期間もこれまでの最長10年から最長5年に短縮され、割安だった長期契約プランの新規申込も停止されました。

2025年7月からは金融庁による「異常危険準備金引当率」の算定ルール強化も導入され、今後も保険料の値上げ傾向が続くと多くの専門家が見ています。

つまり、「火災保険は入っていれば安心」という時代から、「入れるかどうか、入り続けられるかどうか」が問われる時代に変わってきているのです。

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なぜ空き家は火災保険に入りにくいのか

ここからが今回の本題です。空き家が保険に加入しにくい・更新を断られる理由を整理します。

① 「住宅物件」ではなく「一般物件」扱いになる

火災保険は、建物の用途によって「住宅物件」と「一般物件」に区分されます。

住人がおらず種々の損害が生じるリスクが増す空き家は「一般物件」とされ、保険料が高めに設定される傾向にあります。

保険料は損害保険会社によりますが、住宅の2倍以上とするところもあります。

長年誰も住んでいない空き家、完全な物置になっていて人が住める状態ではない空き家などは「住宅物件」とはみなされず、「一般物件」として加入することになるケースが多くなっています。

② 旧耐震基準の建物は審査が厳しくなる

特に1981年6月以前の建物は、建築基準法改正前の旧耐震基準で建てられているため、耐震性が現在の基準を満たさない可能性が高く、火災だけでなくその他の災害時のリスクも高いと判断されてしまいます。

③ そもそも加入を断られる共済・保険会社もある

住宅の火災保険のみを取り扱うネット火災保険やJA共済、こくみん共済coop、都道府県民共済が提供する火災共済は、もともと空き家は加入できません

また、最近CMでよく見かける大手損保の中にも、空き家の場合は加入できる火災保険を用意していない会社があります。

④ 管理状態が悪化しやすいほど不利になる

空き家は管理状態が悪化しやすく、放火・漏電・漏水リスクが高いため、住居用に比べて数割〜数倍の保険料がかかることや、そもそも引き受けてもらえないこともあります。

ボロボロの廃屋などはやはり加入を断られてしまう可能性が大きいのが実情です。

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無保険のまま事故が起きたら。賠償リスクの現実

ここが最も伝えたいポイントです。

火災保険に入れない、あるいは入っていない状態で事故が起きると、どうなるのでしょうか。

弁護士による試算では、空き家火災で隣家2軒が全焼し、2名が死亡した場合、総額約6,375万円の損害賠償責任が発生するとされています。

このような莫大な賠償金を個人で支払うことは極めて困難です。

火災以外にも、以下のようなケースで所有者の賠償責任が問われます。

  • 台風で屋根瓦や外壁が落下・飛散し、近隣の車や建物を傷つけた場合
  • 建物自体が倒壊し、通行人にケガを負わせた場合
  • 老朽化した電気配線などによる漏電火災で近隣に延焼した場合

さらに注意すべきは所有者が個人で加入している通常の「個人賠償責任保険」では、空き家に起因した損害賠償リスクはカバーされないという点です。

空き家のリスクは、施設賠償責任保険という別の枠組みでカバーする必要がありますが、これも空き家を加入不可とする損保会社があります。

つまり、「自分は個人賠償責任保険に入っているから大丈夫」と思っていても、それが空き家のリスクには対応していない可能性があるのです。

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相続したら、まず保険会社への連絡が必須

実家を相続した方が見落としがちなのが、保険契約の名義変更と通知義務です。

これまで住宅だった物件でも、空き家になったら火災保険などの契約先に速やかな通知が必要です。

通知を怠ると、保険金が支払われなかったり、契約が解除されたりする恐れがあります。

相続登記を完了した後は、保険契約者の変更手続きも必要です。

一般的に、戸籍謄本・遺産分割協議書・登記事項証明書などの提出を求められます。

そして相続した物件が空き家であった場合、保険が居住用から一般物件用へと再評価され、保険料が増加することも珍しくありません。

「とりあえず親の代からの保険をそのまま継続している」という状態は、実は最もリスクが高いパターンの一つです。

空き家化した時点で、必ず保険会社に現状を伝え、適用可否を再確認してください。

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加入のハードルを下げる方法はあるのか

保険に加入しにくい状況だからこそ、以下のような選択肢を知っておくことが重要です。

① 別荘・セカンドハウスとして実態をつくる

定期的に使用している、週末や季節ごとに居住している実態がある場合、保険会社に状況を説明することで「住宅物件」として契約できる可能性があります。

保険料を大幅に抑えられる可能性があるため、まずは保険会社に相談する価値があります。

② 空き家管理サービスとセットになった専用保険を活用する

NPO法人が提供する空き家管理サービスを利用することで、「空き家専用保険」が自動付帯される仕組みもあります。

他人への損害賠償が一定額まで補償されるほか、火災等で半焼以上となった際の解体費用、近隣への失火見舞費用といった補償を受けられるケースがあります。

③ 定期的な管理の証明を残しておく

空き家の火災保険では、保険金請求の条件が通常の住宅保険よりも厳しい場合があります。

月1回以上の点検・清掃の記録が求められる場合もあるため、管理の実態を記録として残しておくことが、保険加入・保険金請求の両方において重要になります。

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それでも対応が難しい場合は、早期の利活用・売却を

空き家の火災保険加入のハードルは、今後さらに高くなる可能性があります。

保険でカバーできるリスクの範囲も限られている以上、空き家を持ち続けること自体のリスクを見直す時期に来ているとも言えます。

  • 管理サービスを利用して定期管理を継続する
  • 空き家バンクへの登録による賃貸・売却の検討
  • 解体費ゼロスキームを活用した土地の整理
  • リノベーション・利活用による収益化

物件の状態・立地・相続の状況によって最適な選択肢は異なります。

「とりあえず保険だけ入れておけば大丈夫」という考え方が通用しにくくなっている今、早めの現状把握と判断が、将来の大きなリスクを防ぐ最善の方法です。

まとめ

空き家と火災保険を取り巻く状況について、覚えておいてほしいポイントを整理します。

  • 火災保険料は2025年に全国平均1.5倍前後の値上げが実施され、今後も上昇傾向が続く見通し
  • 空き家は「一般物件」扱いとなり保険料が高くなる、または加入を断られるケースが増えている
  • 1981年以前の旧耐震基準の建物は特に審査が厳しい
  • 無保険での火災・倒壊事故では、所有者個人が数千万円規模の賠償責任を負う可能性がある
  • 個人賠償責任保険では空き家のリスクはカバーされないことが多い
  • 相続時は保険会社への通知・名義変更が必須
  • 管理サービス併設の専用保険など、加入ハードルを下げる選択肢もある

「火災保険に入っているから安心」という時代は終わりつつあります。

空き家を所有している方は、今の保険契約の内容と、管理の実態を一度見直すことをおすすめします。

 

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