
ゴールデンウィークも過ぎ、初夏の爽やかな風が吹き抜ける5月。
今年は雨量が少なく気持ちの良い天気が続いていますね。
一年で最も過ごしやすいこの季節ですが、実は私たちの住まいを脅かす「ある生き物」が最も活発になる危険な時期でもあります。
それが「シロアリ」です。
「うちはしっかり建てたから大丈夫」「室内はいつも綺麗にしているから」と安心している方も多いかもしれません。
しかし、シロアリは私たちが普段目にすることのない「見えない床下」から、静かに、そして確実に家を蝕んでいきます。
特に、ジメジメとした湿気が家全体を包み込む「梅雨」に入る前の今の時期に、床下の環境を整えておくことが、家の寿命を劇的に左右します。
先日、弊社で25年前に建てられたオーナー様よりご相談があり、床下点検をしてきました。
外壁や屋根はしっかりとメンテナンスをし、室内も非常にきれいになっており、大切に住まわれている状態でしたが、床下は今まで未点検。
和室のタンスを移動したら、畳に穴が空いているのを発見。
点検をしたところ、防湿コンクリートは打っていても、蟻道が数カ所立ち上がっており、一部の柱や土台、床下地、畳が食害されておりました。
『羽アリが出た!』と、この時期の相談は毎年多いのですが、今年は暖かい日が続いているので、時期が少し早いですね。
そこで今回は、見えないところで家を守る「床下の健康診断」の重要性と、清新ハウスのオーナー様にぜひ実践していただきたい、家の寿命を延ばすための簡単なセルフメンテナンス術をお伝えします。

なぜ5月なのか?「羽アリ」が知らせる床下の危機
毎年4月下旬から5月にかけて、雨上がりの蒸し暑い日によく見られるのが「羽アリ」の群飛(飛び立ち)です。
実は、この時期に見かける羽アリの多くは「ヤマトシロアリ」という種類です。
彼らは新しい巣を作るために、何百、何千という単位で飛び立ち、自分たちにとって快適な場所、すなわち「暗くて、暖かくて、湿気の多い木材」を探し求めます。
シロアリは光と風を極端に嫌います。
そのため、家の中で最もシロアリに狙われやすいのが、空気が淀み、湿気が溜まりやすい「床下空間」なのです。
5月に羽アリを見かけたということは、すでに近くに大きな巣があるか、これからあなたの家の床下が新たなターゲットになる可能性が高いという、自然界からの強烈な警告サインと言えます。

梅雨前に必須!オーナー様ができる「床下」の簡単チェック術
本格的な梅雨に入ると、床下の湿度はさらに跳ね上がります。
床下が多湿になると、シロアリを呼び寄せるだけでなく、木材を腐らせる「腐朽菌(ふきゅうきん)」が繁殖し、家の土台や柱の強度を根底から奪ってしまいます。
そうなる前に、今週末にでもたった10分でできる、家の外周りのセルフチェックとメンテナンスを実施してください。
1. 基礎の換気口を塞いでいませんか?
床下の湿気を逃がすための最も重要な設備が、基礎部分に設けられた「床下換気口」です。
家の周りをぐるりと歩いてみてください。
換気口の前に、冬用タイヤ、大きなプランター、使わなくなった自転車、あるいは段ボールなどを置いていませんか?
これらが風の通り道を塞ぐと、床下はあっという間にシロアリ天国になります。
換気口の周辺は必ずスペースを空け、風通しを良くしてください。
2. 基礎のコンクリートに「土の筋(蟻道)」はありませんか?
シロアリは光や乾燥を嫌うため、地中から建物の木材へ移動する際、土や分泌物でトンネルのような通り道を作ります。
これを「蟻道(ぎどう)」と呼びます。
基礎のコンクリート表面に、地面から上に向かって細い土の筋がへばりついていたら要注意です。
それはすでにシロアリが床下へ侵入している決定的な証拠です。
3. 家の周囲に「エサ」を放置していませんか?
庭に直接置かれたままの廃材や、切り倒した木の切り株、あるいは木製の古いラティス(柵)などは、シロアリにとって格好のエサとなります。
雨水を吸って湿った木材はすぐにシロアリを引き寄せるため、不要な木材は梅雨前に処分するか、地面に直接触れないようにブロックの上に浮かせて保管しましょう。

見えない土台が、自然素材の心地よさを支えている
私たち清新ハウスがご提供している住まいは、足ざわりの良い「30mm厚の杉無垢床」や、調湿性に優れた「越前和紙」など、自然素材をふんだんに使用しています。
これらは、新潟のジメジメとした気候の中でも、室内をカラッと快適に保ち、深呼吸したくなるような心地よい空間を作り出します。
しかし、どれほど室内が快適で美しくても、家を根底から支える「床下」の木材がシロアリや腐朽菌に侵されてしまえば、その家は地震の揺れに耐えることができず、安心して住み継ぐことはできません。
「見えないところが、家を守る」。
建築の世界において、これは絶対的な真理です。
基礎や床下という目に見えない構造部分が健全に保たれて初めて、私たちがこだわる自然素材の美しさと、ご家族の健康的な暮らしが何十年にもわたって守られるのです。
不安を感じたら、迷わずプロの健康診断を
5月は気候が良く、家の周囲を点検するには絶好のタイミングです。
まずはご自身で家の外周りをチェックし、換気口の前の荷物を片付けることから始めてみてください。
これだけでも、床下の環境は劇的に改善し、家の寿命を延ばす大きな一歩となります。
もし、基礎周りで怪しい土の筋(蟻道)を見つけたり、床を歩いた時に以前にはなかった「沈み込み」や「フワフワした感覚」を感じたりした場合は、決してそのまま放置せず、すぐに私たちへご連絡ください。
大切なお住まいをシロアリの脅威から守り、来るべき梅雨を安心して乗り越えるために。
建築のプロフェッショナルとして、床下へ潜り込み、徹底的な「床下の健康診断」を実施させていただきます。
家も人間と同じく、早期発見・早期治療が一番の長寿の秘訣です。
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