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犬将軍日記

2026/07/15

「空き家のまま放置」vs「賃貸に出す」どっちが得?2026年最新のサブリーススキームと、知っておきたい注意点

「実家をそのままにしておくのはもったいないけれど、人に貸すためのリフォーム代なんて払えないし、管理も大変そう……」

そんな風にお悩みの方に、ぜひ知ってほしい選択肢があります。

それが、今広がりを見せている「空き家専門のサブリース(一括借り上げ)」という仕組みです。

業者があなたの代わりに家を整え、管理や入居者探しを代行し、毎月安定した賃料を受け取れるというのが基本的な仕組みです。

ただし、結論を先にお伝えすると、「完全にリスクゼロ」というのは正確ではありません。

今回は、メリットと注意点の両方をお伝えしながら、空き家を活かす選択肢を整理します。

「空き家のまま放置」vs「賃貸に出す」どっちが得?2026年最新のサブリーススキームと、知っておきたい注意点

まず整理する。「放置」のリスクとは何か

サブリースの話の前に、「何もせず放置する」ことのリスクを確認しておきましょう。

放置するリスクのうち、もっとも大きいのは特定空家に指定される点です。

この場合は行政によって強制的に空き家が撤去される恐れがあり、しかも撤去にかかった工事費用は所有者に請求されます。

さらに、2023年の法改正で「管理不全空き家」という区分が新設されたことで、特定空家に至る前の段階でも、固定資産税の優遇(住宅用地特例)が解除されるリスクが生じています。

つまり、「とりあえず何もしない」という選択肢自体が、実は税負担・行政指導という形でコストを生んでいる可能性があるのです。

「空き家のまま放置」vs「賃貸に出す」どっちが得?2026年最新のサブリーススキームと、知っておきたい注意点

サブリース(一括借り上げ)とは、どんな仕組みか

ここで言葉の整理をしておきます。

オーナーとサブリース会社が結ぶ契約は「一括借り上げ(マスターリース契約)」と呼ばれ、サブリース会社が入居者へ貸し出す契約のことを「サブリース(転貸)」と呼びます。

一般的にはこの2つを合わせて「サブリース」と呼ぶことが多くなっています。

一括借り上げの契約方法には2種類あります。

① 賃料保証型(賃料固定型)

サブリース会社が入居者の有無に関わらず、毎月一定の家賃をオーナーに支払うタイプです。

空室があっても影響を受けず、決まった家賃収入を得られます。

そのため一般的に手数料は15〜20%ほどと、もう一方のタイプより割高に設定されています。

② パススルー型(実質賃料連動型)

入居率に応じてオーナーの収入が決まるタイプです。

家賃保証はないため、空室を出さないことが収入の鍵になります。

手数料は5〜10%程度と賃料保証型より低めです。

「空き家特化型サブリース」では、リフォーム費用をオーナー負担ゼロ(または一部負担)で実施し、その分を賃料保証額や手数料に反映させる仕組みが一般的です。

「空き家のまま放置」vs「賃貸に出す」どっちが得?2026年最新のサブリーススキームと、知っておきたい注意点

【メリット】サブリースで何が得られるのか

① 空室リスクを抑えられる

賃料保証型であれば、空室があっても一定の家賃が支払われるため、オーナーのリスクが軽減される点が大きなメリットです。

② 入居者トラブルの当事者にならない

入居者トラブルや訴訟になっても、入居者と賃貸借契約を結ぶのはサブリース会社であるため、対応も費用負担もオーナーには発生しません。

③ 管理業務をすべて代行してもらえる

入居者の募集・契約事務・家賃の集金・物件の点検・清掃などの管理運営業務を代行してもらえるため、遠方に住んでいるオーナーや、管理の手間をかけられない方にとって大きな負担軽減になります。

④ 行政指導のリスクを下げられる

人が住んでいる状態を維持できれば、特定空家・管理不全空き家への指定リスクを大きく下げられます。

「空き家のまま放置」vs「賃貸に出す」どっちが得?2026年最新のサブリーススキームと、知っておきたい注意点

【注意点】「リスクゼロ」と言い切れない理由

ここからが、今回最もお伝えしたい部分です。

サブリースには、知っておくべき注意点が複数あります。

① 賃料が下がる可能性がある

契約中でもサブリース会社から家賃減額の請求を受け、当初設定より賃料水準が下がるケースが多くあります。

一般的なサブリース契約では、数年に一度賃料の見直しをする契約内容が多く、「契約時の話と違う」というトラブルが発生することもあります。

② 修繕費等の出費がある

管理の手間はなくなりますが、原状回復リフォームや建物・設備の修繕にかかる費用はオーナー負担となるケースが多いという点に注意が必要です。

経年劣化による建物や設備の修繕・交換にかかるメンテナンス費用やリフォーム費用は、サブリース契約期間内でもオーナーが負担する仕組みが一般的です。

③ 受け取れない金銭もある

礼金や更新料等はサブリース会社に入ります。

また、初期募集期間や退去時の賃料が免除される「免責期間」が設けられている契約もあり、この期間は家賃が支払われません。

④ 中途解約・サブリース会社の破たんリスク

サブリース会社から一方的に契約を打ち切られたり、会社自体が倒産してしまう可能性があります。

倒産すれば家賃保証は打ち切られ、未払い分の回収も困難になります。

⑤ オーナーの立場が弱くなりやすい

サブリース契約ではオーナーが貸主、サブリース会社が借主となります。

借地借家法では借主の権利が強く保護されているため、貸主であるオーナー側からの契約解除は難しいことが多いという構造的な特徴があります。

「空き家のまま放置」vs「賃貸に出す」どっちが得?2026年最新のサブリーススキームと、知っておきたい注意点

2020年「サブリース新法」で何が変わったか

サブリースをめぐるトラブルの多さを受け、2020年12月に「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律(サブリース新法)」が施行されました。

サブリース事業者に対して、オーナーへの重要事項の書面による説明義務が課され、誤認を招くような誇大広告や、契約時の不利益な条件を十分に説明しない勧誘行為などが禁止されました。

これにより、契約前の情報格差やトラブルの未然防止が図られています。

ただし、この法律が重点を置いているのは主に契約前の説明義務であり、契約後の賃料減額や契約条件の変更、途中解約の可否といった「契約運用上の問題」については、引き続き契約書の内容に基づいて当事者間で対応する必要があります。

法律があるから安心、というわけではない点を理解しておくことが重要です。

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【事例】空き家を活用した3つの選択肢を比較

実家が空き家になった場合、現実的な選択肢としては大きく3つあります。

選択肢①:そのまま放置する

費用はかからないが、特定空家・管理不全空き家指定のリスクが残り、最終的に解体費用などを請求される可能性がある。

選択肢②:サブリース(一括借り上げ)で賃貸に出す

リフォーム費用負担を抑えながら賃料収入を得られる一方、将来的な賃料減額・修繕費負担・契約解除のリスクがある。

長期的な視点での契約内容確認が必須。

選択肢③:売却・解体・空き家バンクへの登録

管理の手間そのものをなくせる一方、サブリースのような継続収入は得られない。

どの選択肢が適しているかは、物件の状態・立地・将来の利用予定(将来自分や子どもが住む可能性があるか等)によって変わります。

「とにかく今すぐ収益化したい」という焦りだけで判断せず、複数の選択肢を比較検討することが重要です。

「空き家のまま放置」vs「賃貸に出す」どっちが得?2026年最新のサブリーススキームと、知っておきたい注意点

サブリースを検討する際にチェックすべきポイント

実際にサブリース契約を検討する場合、以下の点を必ず確認してください。

  • 賃料保証型かパススルー型か、その仕組みと手数料率
  • 賃料見直しのタイミングと条件(何年ごとか、減額の上限はあるか)
  • リフォーム・修繕費用の負担範囲(オーナー負担はどこまでか)
  • 免責期間の有無と期間
  • 中途解約の条件(オーナー側から解約できるか)
  • サブリース会社の経営状況・過去のトラブル事例の有無

特に「リフォーム費用ゼロ」を強調する業者ほど、その分が手数料率や長期契約の条件に反映されている可能性があるため、契約期間全体での収支シミュレーションを必ず確認することをおすすめします。

まとめ

空き家のサブリース活用について、覚えておいてほしいポイントを整理します。

  • 放置すること自体にも、特定空家・管理不全空き家指定というリスクがある
  • サブリースは空室リスクの軽減・管理代行・トラブル対応の負担軽減という大きなメリットがある
  • 一方で、賃料減額・修繕費負担・契約解除リスクなど、「リスクゼロ」とは言えない側面もある
  • 2020年のサブリース新法により契約前の説明義務は強化されたが、契約後の運用リスクは残る
  • 放置・サブリース・売却の3つの選択肢を、物件の状況に応じて比較検討することが重要

「リスクゼロ」という言葉だけで判断せず、メリットとリスクの両方を正しく理解した上で、ご自身の状況に合った選択をすることが、後悔しない空き家活用の第一歩です。

 

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