
「最近、エアコンをつけているのに部屋がなんだかどんよりする……」
その原因、もしかしたら壁や天井にある「24時間換気システム」のフィルターの目詰まりかもしれません。
24時間休まず家の中に綺麗な空気を取り込んでくれている換気口ですが、実は梅雨の湿気やホコリ、小さな虫で汚れが溜まりやすい場所です。
ここが詰まると、冷房の効きが悪くなり、電気代が高くなってしまうことも。
今回は、日曜日の10分でできる、換気口フィルターの正しいセルフ掃除法をご紹介します。
そもそも「24時間換気システム」とは何か
24時間換気システムとは、住宅内の空気を常に入れ替え続けるための設備です。
2003年(平成15年)の建築基準法改正によって、新築住宅への設置が義務化されました。
背景にあるのは、住宅の高気密化です。
断熱性・気密性が高い現代の住宅は、外気の影響を受けにくく快適である一方、意識的に換気をしないと室内に汚れた空気やシックハウス症候群の原因となる化学物質、湿気がこもりやすくなります。
24時間換気システムは、こうしたリスクを防ぐために、常時稼働することを前提に設計されています。
多くの住宅で採用されているのが「第3種換気」という方式です。
これは、各居室の壁や天井に設置された「給気口」から自然に外気を取り込み、キッチン・浴室・トイレなどに設置された換気扇(排気口)で機械的に排気する仕組みです。
つまり、部屋の壁や天井にある小さな換気口(給気口)は、24時間365日、外の空気を取り込み続けている入り口なのです。

なぜ夏場に換気口の目詰まりが特に問題になるのか
夏場、窓を閉め切って冷房をかける時間が長くなります。このとき、室内の空気を清潔に保つ役割を一手に担うのが、この24時間換気システムです。
ところが、梅雨から夏にかけての高湿度な時期は、換気口のフィルターに以下のような汚れが溜まりやすくなります。
- ホコリ:外気とともに取り込まれた微細なホコリがフィルターに蓄積
- 湿気によるカビ:高湿度の環境でフィルター内部にカビが発生することも
- 小さな虫:フィルターの網目に虫が入り込み、詰まりの原因になる
- 花粉・排気ガスの粒子:季節や立地によってはこうした汚れも蓄積
フィルターが目詰まりすると、新鮮な空気の取り込み量そのものが減少します。
空気の流れが悪くなることで、室内の空気がよどみ、「なんとなく息苦しい」「エアコンをつけているのにスッキリしない」といった不快感につながります。
さらに見過ごされがちなのが、エアコンの負荷増加です。
換気による外気の出入りが滞ると、室内の熱や湿気がこもりやすくなり、エアコンがそれを冷やすためにより多くの電力を消費することになります。
結果として、電気代の上昇にもつながってしまうのです。
換気口フィルターの場所を確認しよう
まず、ご自宅の給気口(フィルターがある場所)を確認しましょう。一般的な設置場所は以下の通りです。
- 各部屋の壁の上部(天井に近い位置)
- 窓の上や、カーテンレールの近く
- 天井に埋め込まれたタイプ(丸型・角型のカバーがついている)
多くの場合、給気口には簡単に取り外せるフィルター(ネット状のもの)が内蔵されています。
カバーを開けると、綿ボコリのようなものが絡みついたフィルターが見つかることが多いはずです。

日曜日の10分でできる、換気口フィルター掃除の手順
特別な工具は必要ありません。以下の手順で誰でも実施できます。
① 給気口のカバーを開ける
多くの給気口はカバーを手で引っ張る、あるいは軽くひねることで開けられる設計になっています。硬くて開かない場合は、無理に力を入れず、取扱説明書を確認してください。
② フィルターを取り外す
カバーの内側にあるフィルターを慎重に取り外します。フィルターは薄いネット状の素材でできていることが多く、破れやすいので丁寧に扱いましょう。
③ 掃除機でホコリを吸い取る
まず、フィルターに付着した大きなホコリやゴミを、掃除機のノズルで吸い取ります。この段階で目に見える汚れの大部分を除去できます。
④ 水洗いする
ぬるま湯で軽くすすぎ洗いをします。汚れがひどい場合は、中性洗剤を薄めた水にしばらく浸け置きしてから、優しく振り洗いすると効果的です。
⑤ しっかり乾燥させる
洗ったフィルターは、完全に乾燥させてから元に戻します。濡れたまま設置すると、カビの発生原因になるため、日陰でしっかり乾かすか、乾いたタオルで水気をよく拭き取ってから乾燥させましょう。
⑥ フィルター・カバーを元に戻す
乾燥を確認したら、フィルターとカバーを元通りに取り付けて完了です。
換気口本体(給気口)の掃除も忘れずに
フィルターだけでなく、給気口本体の内側にもホコリが付着していることがあります。
- 乾いた布や柔らかいブラシで、給気口の内側の壁面を優しく拭き取る
- 手の届きにくい奥の部分は、割り箸に布を巻きつけたものや、細いブラシを使うと便利
- カビが見られる場合は、住宅設備用の中性洗剤を薄めて拭き取り、その後乾いた布で仕上げる

掃除の頻度はどのくらいが目安か
換気口フィルターの掃除頻度は、以下を目安にしてください。
- 通常の頻度:2〜3ヶ月に1回程度
- 梅雨〜夏にかけて:湿気・虫が多くなる時期のため、月1回程度に増やすのがおすすめ
- 花粉の季節(春先):花粉が多く付着しやすいため、こちらも頻度を上げると良い
「気づいたときにやる」のではなく、エアコンのフィルター掃除とセットで習慣化すると、忘れにくくなります。
エアコンのフィルターは2週間〜1ヶ月に1回、換気口フィルターは月1回〜数ヶ月に1回、というように、それぞれのペースを決めておくと管理しやすいでしょう。
排気口(換気扇)側のお手入れも忘れずに
給気口(フィルター付き)とセットで確認しておきたいのが、キッチン・浴室・トイレにある排気口(換気扇)です。
排気口側は、機械的に空気を排出する重要な役割を担っています。
ここにホコリが詰まると、給気口から取り込んだ空気がうまく排出されず、換気システム全体の効率が落ちてしまいます。
換気扇のカバーを外して、内部のプロペラやフィルターにホコリが溜まっていないか、あわせて確認しておきましょう。

「掃除しても改善しない」場合はプロに相談を
フィルター掃除を行っても、室内の空気がこもった感じが改善しない場合、以下のような可能性が考えられます。
- 換気システム本体(ファンユニット)の故障・経年劣化
- ダクト内部の汚れの蓄積(フィルターだけでは対処できない範囲)
- 給気口・排気口のバランスが崩れている(設計・施工上の問題)
このような場合は、無理に自分で対処しようとせず、専門業者による点検・清掃を依頼することをおすすめします。
まとめ
24時間換気システムのフィルター掃除について、覚えておいてほしいポイントを整理します。
- 24時間換気システムは、高気密住宅の空気を清潔に保つための必須設備
- 夏場は湿気・虫・ホコリでフィルターが目詰まりしやすく、換気効率が落ちる
- 目詰まりはエアコンの負荷を増やし、電気代の上昇にもつながる
- 掃除機での吸い取り→水洗い→しっかり乾燥、という手順が基本
- 通常は2〜3ヶ月に1回、梅雨〜夏は月1回のペースがおすすめ
- 排気口(換気扇)側の清掃も忘れずに、セットで行う
夏本番を迎える前の日曜日、10分だけ時間を作って、家の空気の入り口をリフレッシュしてみてください。
エアコンの効きも電気代も、きっと変わってくるはずです。
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