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犬将軍日記

2026/07/23

実家のリフォーム・二世帯化で絶対に無視できない「名義変更と贈与税」の盲点

「年数が経ってきた実家を、自分たちの資金でキレイにリフォームして同居しよう!」

とても素敵な計画ですが、実はここに、後から大トラブルになりかねない「税金と法律の盲点」が隠されています。

もし、お家のお名義が親御様のままで、お子様がリフォーム費用を全額払ってしまうと、国から「親へのプレゼント(贈与)」とみなされて、思わぬ税金がかかってしまうことがあるのです。

将来、家族みんなが笑顔で暮らし続けるために、工事前に必ず確認しておくべき名義と資金の正しいルールをやさしく解説します。

実家のリフォーム・二世帯化で絶対に無視できない「名義変更と贈与税」の盲点

なぜ「名義」と「資金負担」がズレると贈与税がかかるのか

まず、この問題の根本にある考え方を理解しておきましょう。

建物に関する点検・メンテナンス・固定資産税の支払いなどの維持管理費用は、所有者が負担しなければならない費用とされています。

これはリフォーム費用も同様です。

つまり、「誰が家の名義人か」と「誰がリフォーム費用を払うか」は、本来一致していなければならないというのが税法上の考え方です。

親名義の実家を、子世帯がお金を出してリフォームする場合、「子から親に財産を贈与した」とみなされ、贈与税の対象となります。

これは、リフォームによって建物の資産価値が上がった分、その利益を実質的に受け取るのは名義人(親)であるため、子が負担した費用相当額を親に贈与したのと同じだと国税庁が判断するためです。

逆に、子世帯名義の家のリフォーム費用を親世帯が負担する場合も、まったく同じ理屈で贈与税の対象になります。

実家のリフォーム・二世帯化で絶対に無視できない「名義変更と贈与税」の盲点

贈与税の基本ルール。「年間110万円」がボーダーライン

贈与税は、一人の人が1月1日から12月31日までの1年間に贈与を受けた財産の合計額から、基礎控除額の110万円を差し引いた残りの額に対してかかります。

1年間に贈与を受けた財産の合計額が110万円以下なら、贈与税はかかりません。

つまり、実家のリフォーム費用が110万円を超え、かつ名義と資金負担者が一致していない場合に、贈与税の課税対象となる可能性が出てきます。

税率は、基礎控除後の課税価格に応じて10%〜55%という累進課税です。

数百万円〜1,000万円規模のリフォームであれば、贈与税額も無視できない金額になります。

「贈与税について知らなかったため、支払っていなかった」というのは通用しません。

未払いの場合、本来支払う必要があった金額に加えて、延滞税がかかってしまう点にも注意が必要です。

実家のリフォーム・二世帯化で絶対に無視できない「名義変更と贈与税」の盲点

【事例】親名義の実家に、子世帯が1,500万円かけてリフォームしたケース

具体的な数字で見てみましょう。

状況

  • 親の持ち家の時価(簿価):500万円
  • 子が負担するリフォーム代金:1,500万円
  • リフォーム後の家全体の価値:2,000万円(500万円+1,500万円)
  • 名義は親のまま、リフォーム費用は子が全額負担

何が起きるか

このリフォーム分の所有権は、主たる財産の所有者である親に帰属することになるため、税務上は子から親への贈与に該当してしまいます。

1,500万円という金額から基礎控除110万円を引いた1,390万円に対して、10〜55%の贈与税が課される可能性があります。

仮に特例税率が適用されても、数百万円規模の贈与税が発生する計算になり、家計に大きな打撃を与えかねません。

回避する方法:リフォーム前に「共有名義」にしておく

この事例で贈与税を回避する現実的な方法が、リフォーム前に持分の一部を贈与・譲渡して共有名義にしておくことです。

具体的には、まず親から子へ贈与税の基礎控除額以下(110万円以下)の持分を贈与します。

その上で、リフォーム代金1,500万円に見合う持分を、親から子へ「譲渡」という形で移していきます。

「親の持ち家の時価」と「子のリフォーム代金」のバランスを見ながら、ちょうど良い割合で共有名義にすることで、贈与とみなされる部分をゼロに近づけることができるのです。

このように事前に持分割合を整理してから工事に着手すれば、子は自分の持分にかかる借入金として住宅ローン控除の適用も受けられるようになります。

実家のリフォーム・二世帯化で絶対に無視できない「名義変更と贈与税」の盲点

二世帯住宅リフォームでよくある3つの費用負担パターン

二世帯住宅へのリフォームでは、費用の負担方法によって贈与税のかかり方が変わってきます。

パターン①:総額を按分して負担するケース

総額2,000万円のリフォームで、親世帯が500万円、子世帯が1,500万円を負担する場合、支払った割合(25:75)で登記しておけば、原則として贈与税は発生しません。

支払った金額に応じた持分登記であれば、実態と名義が一致しているためです。

パターン②:夫婦それぞれの親から援助を受けるケース

夫の親が夫に300万円、妻の親が妻に300万円を援助し、夫婦がそれぞれ300万円ずつ出し合ってリフォームするケースでは、リフォーム費用自体は贈与税の対象になりませんが、親から子への援助300万円については、基礎控除110万円を差し引いた190万円に贈与税が課される可能性があります。

ただし、この場合は夫婦それぞれの負担額が持分割合と一致していれば、夫婦間での贈与とはみなされません。

パターン③:共有名義の家で、片方だけが多く負担するケース

夫婦共有名義の家をリフォームする際、夫または妻がリフォーム費用を全額負担すると、負担しなかった方への贈与とみなされ、贈与税が課税される可能性があります。

共有名義の家の維持管理費用は、原則として所有者が持分に応じて負担するものとされているためです。

いずれのパターンでも、「実際の負担割合」と「登記上の持分割合」を一致させることが、贈与税を回避する共通の原則です。

実家のリフォーム・二世帯化で絶対に無視できない「名義変更と贈与税」の盲点

建物を子に贈与してしまうという選択肢も

もう一つの選択肢として、リフォームに先立って、親世帯から子世帯へ建物自体を贈与してしまう方法もあります。

実家は建物が古く、時価(固定資産税評価額)がかなり低くなっているケースが多く、贈与時の建物価値が低ければ、大きな贈与税は発生しない可能性があります。

また、建物価格が高い場合でも、次に紹介する「相続時精算課税制度」を利用することで、大きな節税効果を得られる場合があります。

ただし、相続時精算課税制度を利用すると、将来の相続税の計算に影響が出る可能性があるため、慎重な検討が必要です。

実家のリフォーム・二世帯化で絶対に無視できない「名義変更と贈与税」の盲点

「相続時精算課税制度」という選択肢

相続時精算課税制度とは、生前贈与を行う際に活用できる制度で、最大2,500万円まで贈与税が非課税になる仕組みです(超えた部分は一律20%課税)。

ただし、この制度を選択すると、贈与した財産は将来の相続財産に加算され、相続時にまとめて相続税として精算されることになります。

つまり、贈与税を先送りにして相続税として清算する制度であり、「完全に非課税になる」わけではない点に注意が必要です。

また、一度この制度を選択すると、通常の暦年贈与(毎年110万円の基礎控除)には後から戻せないというルールもあります。

制度の選択は、将来の相続全体を見据えた上で、税理士に相談しながら判断することを強くおすすめします。

もう一つの非課税枠:「住宅取得等資金贈与の特例」の活用

親や祖父母から、住宅取得またはリフォームのための資金を贈与してもらったとき、一定額までの贈与税が非課税になる制度もあります。

実家の名義を子に変えたときや、子名義の実家のリフォームで親から資金援助を受けたときなどに利用できる制度です。

非課税の限度額は、一般的な住宅は500万円、断熱性や耐震性などの質が高い住宅・リフォームは1,000万円です。

主な要件として、リフォーム費用が100万円以上であること、贈与年の合計所得金額が2,000万円以下であること、適用期限は令和8年(2026年)12月31日までなどが定められています。

「子名義の実家」を親が資金援助してリフォームする、というケースであれば、この特例を活用することで、贈与税の負担を大きく軽減できる可能性があります。

着工前に必ず確認しておきたい3つのステップ

実家のリフォーム・二世帯化を検討する際、着工前に必ず行っておきたい手順を整理します。

① 現在の名義と、費用を負担する人を明確にする

「誰の名義の家に」「誰のお金でリフォームするか」を、まず家族間で正直に洗い出しましょう。

② 名義と負担割合が一致しない場合、事前に持分変更を検討する

工事着手前に、持分の一部贈与・譲渡によって共有名義にしておくことで、贈与税の発生を回避、または大幅に軽減できる可能性があります。

「工事が終わってから名義変更しよう」では手遅れになるケースが多いため、必ず着工前に対応してください。

③ 税理士に相談し、非課税制度の活用を検討する

住宅取得等資金贈与の特例や、相続時精算課税制度など、活用できる非課税制度がないか、着工前に税理士へ相談することをおすすめします。

専門的な知識が必要となる分野のため、リフォーム会社と税理士、両方との連携が重要です。

まとめ

実家のリフォーム・二世帯化における名義変更と贈与税の盲点について、覚えておいてほしいポイントを整理します。

  • 名義人と費用負担者が一致しないと、リフォーム費用が「贈与」とみなされる可能性がある
  • 年間110万円を超えるリフォーム費用が、贈与税課税の一つの目安
  • 事前に持分の一部を贈与・譲渡し、共有名義にしておくことで贈与税を回避できる
  • 総額を按分して負担する場合は、支払い割合に合わせた持分登記が原則
  • 住宅取得等資金贈与の特例(最大1,000万円非課税)や相続時精算課税制度(最大2,500万円)の活用も検討する
  • すべての対応は「着工前」が原則。工事が終わってからでは手遅れになりやすい

素敵な二世帯住宅・実家リフォームの計画を、後から税金トラブルで台無しにしないために。工事を決める前に、名義と資金のルールを家族全員で確認してみてください。

 

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