ハンバーグを作っていて手が肉汁だらけのとき、水栓のレバーを触るのに躊躇したことはありませんか?
そんなプチストレスを劇的に解消してくれるのが、今やキッチンの定番オプションとなった「タッチレス水栓」。
センサーに手をかざすだけで水が出るため、水栓まわりが水浸しになりにくく、お掃除も驚くほどラクになります。
ただし、いざ選ぶとなると「停電したらどうなるのか?」「電池式とコンセント式はどっちがいいのか?」という疑問も出てきます。
今回は、プロの目線から後悔しない自動水栓の選び方をお話しします。

タッチレス水栓とは何か
タッチレス水栓(センサー水栓・自動水栓)は、水栓上部にセンサー部分があり、そこに手をかざすと自動で水が出て、もう一度センサー部分に手をかざすと水が止まる仕組みの水栓です。
似たもので「ハンズフリー水栓」というタイプもあります。
タッチレス水栓は蛇口の上部にセンサーがあり、手をかざすと水が出るのに対し、ハンズフリー水栓は水が出る蛇口(吐水口)の下にセンサーがあり、手を出すだけで水が出る仕組みです。
ハンズフリー水栓は一定時間が過ぎると水が自動で止まるため、閉め忘れの心配がない一方、タッチレス水栓は止水時も自分で手をかざす必要があります。
メリット①:調理中の手の汚れを気にせず使える
最も大きなメリットは、水栓に触れずに水を出し止めできることです。
肉や魚を触った後、油まみれの手で水栓に触れると、その都度水栓まわりが汚れ、洗剤や油分が水栓本体に付着します。
タッチレス水栓であれば、手をかざすだけで水を出せるため、水栓まわりが汚れにくく、水アカやカビの発生も減少します。
掃除の回数自体を減らせる点は、日々のメンテナンス負担を考えると大きな価値があります。
メリット②:節水につながる
こまめに水を止めやすいことから、節水効果も期待できます。
例えば、食材を洗っている間や手を泡立てている間は水を止めておき、必要なときだけセンサーに手をかざせばいいので、無意識に水を出しっぱなしにする時間が減ります。
お子様が水を出しっぱなしにしてしまうという悩みも、タッチレス水栓の導入で改善するケースが多く報告されています。
メリット③:感染症対策・衛生面での安心感
帰宅後や生肉を触った後など、せっかく手を洗っても、最後に菌やウイルスが付着した手動レバーに触れて水を止めれば、また手に菌が付着してしまいます。
タッチレス水栓は水栓に触れる機会そのものを減らせるため、衛生面での安心感があります。先般のコロナ渦で非常に関心が高まりました。
メリット④:小さな子どもや高齢者にも使いやすい
レバーを上げ下げするタイプや、蛇口をひねるタイプの水栓は、強く閉められていると小さな子どもや高齢の方には開けにくいことがあります。
タッチレス水栓であれば、力の弱い方でも簡単に水を出すことができ、バリアフリーを意識した住まいづくりにも向いています。

導入前に知っておきたい注意点
ここからが、後悔しないために必ず知っておいてほしい部分です。
① 停電時は手動への切り替えが必要になる
タッチレス水栓は基本的に電気で動いているため、コンセント式の場合、停電時にはそのままでは使用できません。
ただし、多くのタッチレス水栓では、停電時に手動操作へ切り替えることが可能です。
手動への切り替え方法は製品によって異なり、水栓本体に付く手動用レバーで切り替えられるタイプ、キャビネット奥側の水栓を直接開閉する必要があるタイプなど様々です。
重要なのは、いざというときに焦らないよう、購入前または設置後すぐに切り替え方法を確認し、取扱説明書をすぐ取り出せる場所に保管しておくことです。
一部の機種では、完全な電気式で手動操作自体ができないタイプもあるため、停電対応の有無は購入前に必ず確認してください。
② 「コンセント式」と「電池式」、それぞれの特徴
タッチレス水栓の電源方式には大きく2種類があります。
コンセント式
キッチンや洗面台のシンク下にコンセントが必要です。
一度設置すれば電池交換の手間がない点がメリットですが、停電時には基本的に使用できなくなります(手動切り替え機能の有無は要確認)。
シンク下にコンセントの差し込み口がない場合は、電気工事による増設が必要になります。
電池式
コンセントの増設が不要で、停電時でも電池があれば通常通り使用できる点が大きな強みです。
デメリットは、定期的な電池交換が必要なこと。使用頻度によりますが、1〜2年に1回程度の交換が目安とされており、使用頻度が非常に高い場合は1〜2年ほどで電池の寿命を迎えるとの情報もあります。
「停電時の対応を重視したい」という方には電池式、「電池交換の手間を避けたい」という方にはコンセント式が向いています。
なお、TOTOから発電式(電源も電池交換も不要)の機種も発売されていますが、対応機種は限られており、価格も高めです。
③ センサーの感度には個体差がある
センサーの感知が悪く、水が出るまでに数秒のタイムラグが生じることがあります。
逆に反応が良すぎると、掃除しているときに勝手に水が出たり、少し近づいただけで水が出てしまうこともあります。
センサーの感度はメーカー・機種によって差があるため、可能であればショールームで実際に試してから選ぶことをおすすめします。
④ 温度・水圧調整は手動操作が必要なケースが多い
タッチレス水栓は「出す・止める」の操作はセンサーで行えますが、水温や水圧の調整は手動で行う必要がある機種も多くあります。
料理で食材を洗う際は水を使い、油汚れのひどい鍋を洗う場合はお湯に切り替える、といった調整を毎回手動で行うことになるため、「結局レバーに触れる頻度がそれほど変わらなかった」と感じる方もいます。
日常的にどの程度の頻度で温度・水圧を変えているかを振り返り、自分の使い方に合っているかを事前に検討することをおすすめします。
⑤ ペットを飼っている家庭は誤作動に注意
猫や犬などのペットがセンサー付近を横切ったり触れたりすると、意図せず水が出てしまうことがあります。
特にキッチンカウンターに上る習性のある猫を飼っている家庭では注意が必要です。
留守中はセンサーをオフにする、自動止水モードに切り替えるなどの対策を検討してください。
⑥ 初期費用・修理費用が割高になりやすい
タッチレス水栓は通常の水栓よりも価格が高い傾向にあります。
本体価格は機種により幅がありますが、機能が増えるほど価格も上がり、高機能モデルでは20万円を超える製品もあります。
後付けでの設置の場合、施工料金は電池式で1〜2万円程度、コンセント式で1〜3万円程度が目安とされていますが、コンセント増設工事が必要な場合はさらに費用が加わります。
また、多機能であるほど故障時の修理費用も高くなりやすい点も理解しておきましょう。

どこに設置するのがおすすめか
キッチンでの採用が最も多いタッチレス水栓ですが、他にもおすすめの設置場所があります。
感染対策の観点からは、帰宅後すぐに手を洗う玄関や、トイレの手洗い場への設置も人気です。
家全体をすべてタッチレスにする必要はなく、使用頻度や家族構成に応じて、必要な場所に絞って導入するのも一つの考え方です。
なお、小さい頃からタッチレスに慣れてしまうと、外出先の通常の水栓で閉め忘れてしまうことがあるという指摘もあります。
すべての水栓をタッチレスにするのではなく、必要な箇所だけに導入するという選択も検討してみてください。

まとめ
タッチレス水栓のメリットと注意点を整理します。
- 手が汚れていても水栓に触れず使えるため、調理中のストレスが大きく軽減される
- 節水・衛生面・バリアフリーという観点でも優れたメリットがある
- 停電時は手動切り替えが基本だが、機種によって対応方法が異なるため事前確認が必須
- 電源方式は「コンセント式(電池交換不要・停電時注意)」と「電池式(停電時も使用可・定期交換必要)」の2種類
- センサー感度・温度・水圧調整の手動操作は機種ごとに差があるため、ショールームでの確認がおすすめ
- ペットがいる家庭は誤作動に注意し、初期費用・修理費用も通常の水栓より高くなりやすい
便利さだけでなく、ご自身の生活スタイルに合った機種・設置場所を選ぶことが、後悔しないタッチレス水栓選びの鍵です。
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