排水口から上がってくる嫌な臭い。
「カビキラーを流した」
「パイプユニッシュを使った」
それでも数週間後にはまた臭う。
なぜかと言うと、塩素系漂白剤は「殺菌・漂白」は得意だけど、排水口の臭いの主な原因「有機物のぬめり(バイオフィルム)」を物理的に分解するのが苦手だからです。
「強い薬品を使えば使うほどキレイになる」という思い込み、一度捨ててください。
今回おすすめするのは「過炭酸ナトリウム(酸素系漂白剤)」を使ったつけ置き清掃です。
排水トラップを外して、液に浸けておくだけ。
パーツが痛まない・塩素臭がしない・排水管を傷めない。
しかもドラッグストアで数百円で買える。
「やってみたら思ったより簡単で、思ったより効果があった」というDIYです。

「排水口の臭い」の正体を知る。臭いの原因は3種類ある
対策を始める前に、「何が臭っているのか」を理解しておきましょう。
原因①:バイオフィルム(ぬめり)
排水管の内壁に付着した「ぬめり」の正体は、微生物(細菌)が作るバイオフィルムという膜です。
食品の油分・石鹸カス・皮脂が細菌の栄養になり、ドロドロとしたぬめりを形成します。
このぬめりが腐敗することで、あの独特の排水口臭が発生します。
原因②:髪の毛・固形の詰まり
ヘアキャッチャー・排水トラップに溜まった髪の毛が腐敗すると、臭いが発生します。
これは「髪の毛を取り除く」という単純な物理的解決が有効です。
原因③:封水の不足・蒸発
排水トラップの「溜まり水(封水)」が不足・蒸発すると、下水管の臭気が直接室内に上がってきます。
これは水を流すだけで解決できます。
今回の清掃でアプローチできるのは主に原因①②です。
原因③は「水を流す・封水を補充する」だけで解決できるため、まずこれを確認してから臭いが残る場合に清掃に進んでください。

なぜ「過炭酸ナトリウム(酸素系漂白剤)」が効くのか
過炭酸ナトリウムは、水に溶けると「炭酸ナトリウム+過酸化水素水」に分解されます。
この過酸化水素水が「活性酸素」を発生させ、有機物(油分・タンパク質・バイオフィルム)を分解・除菌します。
塩素系との違いを整理します:
| 比較 |
塩素系(次亜塩素酸ナトリウム) |
酸素系(過炭酸ナトリウム) |
| 殺菌・漂白力 |
非常に強い |
中程度 |
| 有機物分解力 |
弱め |
強い |
| 素材への影響 |
金属・ゴムを傷めることがある |
比較的優しい |
| 臭い |
独特の塩素臭 |
ほぼ無臭 |
| 安全性 |
換気必要・皮膚刺激強め |
比較的安全 |
バイオフィルム(ぬめり)の主成分は「タンパク質・多糖類・油分」などの有機物です。
これらを「分解する」のは酸素系の方が得意。
塩素系は「殺菌・漂白」は強力ですが、固着した有機物の塊を溶かし落とす力はそれほど高くありません。
用意するもの
すべてドラッグストア・スーパーで手に入ります。
- 過炭酸ナトリウム(「酸素系漂白剤」として販売されているもの。「オキシクリーン」「過炭酸ナトリウム100%」等)
- バケツまたは洗面器(パーツをつけ置きするため)
- ぬるま湯(40〜50℃程度。お湯の温度が高いほど過炭酸ナトリウムが活性化する)
- 古い歯ブラシ(細部の清掃用)
- ゴム手袋
- タオル・キッチンペーパー(拭き取り用)

全手順。週末30〜60分でできます
STEP 1:排水口のパーツを分解・取り外す(5〜10分)
清掃前に、排水口のパーツをできるだけ分解して取り外します。
洗面台の場合
- ヘアキャッチャー(排水口の網)
- ポップアップ排水栓(押し込み式の栓)→前回の記事で解説した取り外し方で対応
- 排水トラップ(「P字型」または「S字型」のパイプ部分)
排水トラップの取り外し:洗面台下の収納の中を見ると、排水管に「P字型」または「S字型」のパイプが接続されています。
接続部分のナット(手で回せるものが多い)を外すとトラップが外れます。
注意:トラップを外すと封水(溜まっている水)が流れ出ます。
下にタオル・バケツを置いてから外してください。
浴室の場合
- ヘアキャッチャー(排水口の蓋・網)
- 排水口カバー
- 排水トラップ(「ワン」と呼ばれるカップ型のパーツ)
浴室の排水トラップ(ワン)は、反時計回りに回すか、単純に持ち上げると外れるタイプが多いです。
STEP 2:髪の毛・大きなゴミを手で取り除く(2〜5分)
取り外したパーツに絡まっている髪の毛・大きなゴミを手またはティッシュで取り除きます。
「ひどい量でビックリ」することが多いですが、これが臭いの原因のひとつです。全部取り除いてください。
STEP 3:過炭酸ナトリウム液でつけ置き(30〜60分)
バケツ・洗面器に「40〜50℃のお湯2〜3L」に「過炭酸ナトリウム大さじ2〜3杯(30〜50g程度)」を溶かして、取り外したパーツを全部浸け込みます。
ポイント
- お湯の温度は40〜50℃が最適。60℃以上になると素材によっては変形するリスクがある
- 完全に沈むように、必要なら重しを乗せる
- つけ置き時間は30分〜1時間程度。ひどいぬめりには1時間以上置くと効果的
つけ置き中、液が泡立ってくれば「活性酸素が発生して有機物を分解している」サインです。
STEP 4:歯ブラシで細部を擦る(5〜10分)
つけ置き後、歯ブラシでパーツの細部を擦り洗いします。
つけ置きによってぬめり・バイオフィルムが柔らかくなっているため、擦るだけで簡単に落とせます。
「つけ置き前に力を入れて擦る」より「つけ置き後に軽く擦る」方が、はるかに楽に汚れが落ちます。
特に重点的に擦るべき部分:
- ヘアキャッチャーの網目の細部
- 排水トラップの内側・カーブ部分
- ポップアップ栓の茎・溝
- 排水口カバーの裏側
STEP 5:排水口本体(パイプの入口)も清掃する(5〜10分)
パーツを取り外した状態で、排水口の「穴の中」も掃除します。
歯ブラシを差し込める範囲で、排水口の縁・内壁を擦ります。
過炭酸ナトリウム液を少量流し込んで10〜15分置いてから擦ると、より効果的です。
STEP 6:水でしっかり洗い流し、元に戻す(5分)
取り外したパーツを水でよく洗い流し、元の位置に戻します。
排水トラップを戻すときは、接続部のパッキン(ゴムの輪)が正しくはまっているか確認してください。
パッキンがずれていると水漏れの原因になります。
最後に水を流して「正常に排水されるか」「水漏れがないか」を確認して完了です。

「排水口の奥の管」への追加ケア
パーツを清掃しても臭いが改善しない場合、排水管の奥にぬめりが蓄積している可能性があります。
対処法:過炭酸ナトリウムをそのまま排水口に流す
パーツを外した状態で、大さじ2〜3杯の過炭酸ナトリウムを排水口に直接入れ、その上から50℃程度のお湯を1〜2L流し込みます。
30〜60分そのまま置いてから、水を流します。
この方法で管内のぬめりが分解されます。
過炭酸ナトリウムと塩素系を同時に使わないこと
過炭酸ナトリウムと塩素系漂白剤を同時に使うと、急激な化学反応が起きることがあります。
どちらかを使った後、十分に水で洗い流してから次の洗浄剤を使ってください。
「月1回」の定期清掃で臭いを出さない
このつけ置き清掃は「臭くなったらやる」よりも「月1回の定期メンテナンス」として習慣化することをおすすめします。
「臭くなる前に清掃する」ことで、ぬめりの蓄積が防げます。
そうすると汚れも軽く・作業時間も短くなる。「月1回・30分」のルーティンにするのが最も賢いやり方です。
浴室掃除の日・洗面台掃除の日と合わせてスケジュールに組み込むと続けやすい。

まとめ
排水口の酸素系つけ置き清掃について、覚えておいてほしいポイントです。
- 排水口臭の主な原因は「バイオフィルム(有機物のぬめり)」「髪の毛の腐敗」「封水の不足」の3つ
- 塩素系は殺菌・漂白は強いが有機物分解は弱い。酸素系(過炭酸ナトリウム)の方がぬめり除去に向いている
- 手順:パーツ分解→髪の毛除去→40〜50℃お湯+過炭酸ナトリウムでつけ置き30〜60分→歯ブラシで擦る→洗い流して元に戻す
- パッキンが正しく戻っているか確認してから水を流す
- 月1回の定期清掃を習慣にすると、臭いが出にくくなる
- 過炭酸ナトリウムと塩素系を同時に使わないこと
「また排水口が臭くなった」と感じたら、今週末試してみてください。
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