こちらの現場では、現在基礎工事が行われていて、つい先日「防湿コンクリート」を打ち終えました。基礎の種類は布基礎で、基礎の中に流し込まれているのが防湿コンクリートです。
建物が建つと床下に蓋がされ、大げさに言えば密閉空間になります。ガラスのコップに熱湯を入れて蓋をした、と考えてみてください。コップの中は湯気でいっぱいになりますが、この湯気の逃げ場はなく、蓋裏に水滴を付けます。蓋=構造材と考えると木材が水分を含んでしまうということになります。
この密閉空間で防湿コンクリートを打たず土をさらけ出していると、土に含まれた水分が蒸発して密閉空間に接する構造材に悪影響を与えます。木材は乾燥するほど強度が高まっていくのですが、土からの水分によって木材の強度が落ち、腐る原因となります。
以上が「防湿コンクリート」についての話でしたが、「べた基礎も土の上にコンクリート打ってあるのでは?」と思ったあなた!そうなんです。べた基礎も基礎の立上りの内側はコンクリートが打たれています。
それならべた基礎でもいいのではと思いますよね。防湿コンクリートと何が違うのかと言えば、鉄筋の有無が挙げられます。べた基礎の底面のコンクリートは基礎としての役割を持つので鉄筋が入っています。防湿コンクリートには鉄筋は入っていません。鉄筋の使用量が増えるので、べた基礎の方がコストも高いです。
また、耐震性で考えるとやはりべた基礎の方が優れています。しかし、耐震性だけで選んでしまわないでください。寒冷地の場合は布基礎の方が良いとされます。理由としては寒冷地では基礎等を凍結深度より深く施工する必要があるからです。凍結深度とは冬場の寒さによって地盤が凍る深さのことをいい、地面が凍結すると膨張して(ペットボトルの飲み物を凍らすと膨らむのと同じ原理です)地盤が押し上げられてしまうため、凍結深度よりも下に基礎の底板や引き込み配管などを設置する必要があります。ちなみに新潟市では凍結深度は定められていません。
このように、その土地、気候によって合う合わないはあるので土地の性質も考えて基礎の種類を選んでください。