
ご先祖の思いを未来へつなぐ、築80年延べ47坪の平屋古民家が蘇った。小分けにされた部屋で暮らしづらかった間取りを思い切って大きなLDKにし、寒かった環境も高断熱化し、暖かく涼しく、快適な住まいを実現した。古民家鑑定総合調査を実施し、耐震についてもじっくり検討。古民家インスペクションの必要性はこれからどんどん増すことになるはず。約半年に渡る工期の中で、現場管理人と携わる職人はその歴史に触れ、様々な思いを馳せた。

玄関外観は杉の押し縁仕上げでウッドロングエコを塗装。風合い良く古民家になじむ仕上がりに。

寄り付きだった6畳間は玄関ホールに変身。黒い桟の造り付け建具とクリーニングされた古民具が室礼に。

広い玄関ホールは収納スペースを選ばない。下足、衣類、生活用品など収納量が大きい。

玄関ホールからはトイレ、洗面脱衣所、LDK、座敷と縦横にアクセス出来る交差点。

天井解体時に現れた小屋組みは『いつも歴史を感じたい』の想いから表しにした。栃の木と思われる堅木の梁は、この数十年住まいを支えてきた主役となる構造材。ねじれや湾曲した材を使用するには職人の腕が求められる。

オリジナルの洗面化粧台は50㎜角のタイル仕上げに。杉の無垢板で囲まれる空間に華やかさが生まれた。

リネン収納兼作業カウンターをデザイン。洗濯物を干せる広い洗面脱衣所はゆとりがあって動きやすい。

お施主様こだわりのオリジナル造り付けキッチン。杉材で型組しバイブレーション仕上げの特注ステンレスカウンターできめる。吊り戸棚のガラスは今まで使用していた思い出の建具から再活用し、昔を未来へつなげる。

3部屋を一つのLDKにプランした大空間の一角に4.5帖の畳コーナーを配置した。空間に合わせて大型TVを壁付けにし、キッチンからもよく見え、視線が良い。


新旧が隣り合わせの今回の古民家再生は、客間と仏間は畳の表替えと襖貼替のメンテナンス程度に留め、基本的にそのままに残した。

障子や襖紙を一新することで、空間が明るく雰囲気良く変化する。

低いゲヤラインにひっそりと配した手洗いカウンター。上品な深緑色の手洗い陶器は空間に主張しすぎず程よい存在感。

縁側は内装を一新し、プリーツカーテンを採用した。緩衝空間として温熱環境に寄与する。

縁側を挟んで西向きにあった暗い部屋は縁側を取り込み大きなサッシを設け、広く明るい寝室にリノベーション。ベッドは使用せず布団敷きスタイルに合わせ、中央は畳仕上げに。

いくつもの居場所があるこの住まいで、横になれる畳スペースは居心地の良い場所に。『ちょうどいい大きさ』にこだわった。

お施主様こだわりの北側ウッドデッキは、思い切って大きく屋根付きにデザイン。正面には緑の借景と広い庭スペースを臨む。LDKからつながる一体性のあるウッドデッキは、友人を招いて食事をしたりお茶をしたりと良い時間を過ごす為の心地よいアウトリビングスペース。昼寝するのもいい。

窓は全面樹脂サッシに入れ替えし温熱環境を向上。更に高性能断熱材により、以前とは比にならない外皮性能に。

青空に生えるガルバリウム鋼板と杉板張りの外観配色。

- ブランド
- seishin-style リノベーション
- 屋根
- ガルバリウム鋼板縦ハゼ葺き
- 外壁
- 金属系サイディング、杉板張り
- 断熱材
- 高性能グラスウール
- 内装
- 中霧島壁塗り、越前和紙、杉羽目板、杉無垢フローリングt30、タイル張り、3分砂利洗い出し
- 冷暖房
- 高性能エアコン
- その他
- 古民家再生、古民家鑑定総合調査、時刻歴応答解析耐震診断、床下インスペクション、ウッドデッキ